by Alpari Org

Facebookが2020年にサービススタートを目指している新たな仮想通貨「Libra」について、FacebookのLibraプロジェクトを率いるデビッド・マーカス氏が、ドルやユーロなどの法定通貨との固定レートに連動するステーブルコインを採用する可能性を示唆したと報じられています。

Facebook open to currency-pegged stablecoins for Libra project - Reuters

https://www.reuters.com/article/us-imf-worldbank-facebook-idUSKBN1WZ0NX

In a big reversal, Libra reportedly could peg its cryptocurrencies to national currencies | TechCrunch

https://techcrunch.com/2019/10/20/in-a-big-reversal-libra-reportedly-could-peg-its-cryptocurrencies-to-national-currencies/

仮想通貨は投資の対象になっていることもあり、価格変動が激しくなります。「昨日購入したものの価格が円換算で3倍になっている」「取引先から受け取った仮想通貨が数時間後に暴落」といったことも起こるため、仮想通貨は「日常生活で使える通貨」としての実用性は低いのが現状となっています。

そんな仮想通貨の不安定な相場を安定させるために考案されたのがステーブルコインです。ステーブルコインは固定レートによって価格が決まるもので、特にドルや円などの法定通貨にペグ(レート固定)されたものが近年注目されています。

法定通貨にペグされることで、仮想通貨の価格変動が法定通貨相場と連動するため、相場の動きを予想しやすくなります。特に、ドルや円などの比較的安定した法定通貨にペグされることで、仮想通貨を利用できる場面が増え、国際通貨としての立場も十分期待できるようになります。



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マーカス氏は「Libraプロジェクトの主な目標はより効率的な決済システムを構築することですが、使う通貨トークンの代替アプローチを検討する余地があります」とコメントし、「ドルに対応したステーブルコインやユーロに対応したステーブルコイン、イギリス・ポンドに対応したステーブルコインを作ることができます」と語りました。

Libraは、もともと通貨バスケット制の仮想合成通貨として発表されました。通貨バスケット制とは、複数の法定通貨を一定の割合で加重平均したものをもとにレートを固定する方式です。

しかし、複数の国事情が絡む仮想合成通貨は世界規模の金融経済をひっくり返してしまう可能性があると指摘されていました。また、不正資金洗浄の温床になっていたり、違法コンテンツのやりとりに利用されている現状もあり、各国当局が懸念を示している状況です。

2019年10月18日にワシントンで開催されたG20会議では、仮想合成通貨に対して厳格な規制を導入することが検討され、「世界的なリスクに対処するまで国際規模のステーブルコインは発行するべきではない」という方向で同意がなされました。

G20財務相、デジタル通貨の厳格規制で合意 深刻なリスク懸念 - ロイター

https://jp.reuters.com/article/g20-libra-idJPKBN1WX2NQ



マーカス氏の発言通り、Libraが「ドルやユーロなど各国の法定通貨と個別にペグされたステーブルコイン」の形を採用することになれば、国際通貨としての側面は弱まるものの、国ごとの法規制に対応することが可能になるため、Libraが大きく方向転換する可能性も十分考えられます。

FacebookはLibraの公開を2020年6月に予定していますが、既に初期パートナー企業の4分の1が離脱したことで苦しいスタートを強いられています。マーカス氏はパートナー企業の離脱がLibraのリリーススケジュールに影響を与えるかどうか尋ねられ、「(2020年6月は)まだ目標です。私たちはすべての正当な懸念に対処し、規制当局の適切な承認を得ない限り前進することはないとずっと言ってきました。そのため、予定通りにリリースできるかどうかは私たち次第ではないのです」と答えました。