前田冷菓(長崎市)が販売している長崎名物「ちりんちりんあいす」。シャーベットのような口当たりと、バラのような盛り付け(異なる場合もある)が特徴だ。1960年の創業以降、長きにわたって愛されてきた。


前田冷菓の「ちりんちりんあいす」(前田冷菓フェイスブックより)

およそ50年にわたり100円というお手頃価格で親しまれてきたアイスだが、2010年代半ばに150円へ値上げ。そして19年4月1日から、さらなる値上げが実施された。

ツイッターでは残念がる声も少なくない。いったい、ちりんちりんあいすになにが起きているのだろうか。

原因は異常気象による観光客の減少?


今年の夏は回復するか

ちりんちりんあいすは1個あたり約62キロカロリー、原材料に人工甘味料は含まれておらず、低カロリーのアイスだ。定番のプレーン味を始め、「長崎県産いちご」「長崎カステラ」など独特のフレーバーを展開している。

「ちりんちりんあいす」という名称は、昭和30年代、鐘を鳴らして流し売りをしていたことから命名されている。鐘は今では鳴らすことはないが、屋台の中に当時のまま置いてあるという。

前田冷菓の公式サイトでは具体的な値段は明かしていないが、とある関係者によると、値上げ後の価格は200〜300円(販売場所によって異なる)。理由については、以下のように記載している。

「ここ数年、天災害や猛暑による観光客の減少に伴い業績の長期低下傾向、原材料費、人件費等の高騰などにより、苦しい状態からなかなか抜け出せずにおります。
現在に至るまで、様々な業務効率化の実施によってコスト削減に努めてまいりましたが、現状のままでは採算に見合わない事態となってしまいました」

今のままでは採算が取れないという厳しい状況のなか、苦肉の策として値上げという手段を取ったようだ。

ツイッターでは、

「今日の運動会で一番驚いたこと。チリンチリンアイスが200円やった(笑)」
「湊公園のチリンチリンアイス 強気の300円!!!」
「値上がりがこんな所にまで」
「まだ100円で売ってるワゴンもありますよ〜。300円はあんまりですね」

と驚きの声が寄せられている。

なおJタウンネットは5月28日、今回の値上げについて前田冷菓に取材したが、値段は今後も変動する可能性があること、販売場所によって値段が異なることなどから、コメントを控えたいとのことだった。