審判に詰め寄るロイス(左)。のみならず、その後にもうひとり退場者を出したドルトムントは計4点を失って敗れた。 (C) Getty Images

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 現地時間4月27日に行われたブンデスリーガ第31節、ドルトムント対シャルケのルール・ダービーは、大荒れの末に4-2でアウェーのシャルケが勝利した。

 まずは前半14分、マリオ・ゲッツェのゴールでドルトムントが先制。だが、英公共放送「BBC」によると、このゴールをドルトムント陣営が祝っているさなか、アシストしたジェイドン・サンチョにはライターが投げつけられたという。サンチョは顔面にライターが当たったものの、プレーを続けた。

 主導権を握っていたドルトムントだが、18分にはビデオ判定でユリアン・ヴァイグルのハンドを取られ、PKで同点とされる。さらに逆転弾も献上し、ビハインドを背負ってハーフタイムを迎えた。

 すると、60分にはマルコ・ロイスがレイトチャージで一発退場。このプレーで与えたFKすら決められると、65分にはマリウス・ヴォルフも一発レッドでピッチを去ることに。2点ビハインドの中、さらに9人での戦いを強いられた。

 その後1点を返したものの、直後に4点目も許したドルトムントは、3試合ぶりとなる今季4敗目を喫した。首位バイエルンが28日に行われるニュルンベルク戦で勝てば、勝点4ポイント差をつけられてしまう。

 「BBC」によると、リュシアン・ファーブル監督は試合後の会見で怒りを露わにし、「サッカーは自分で自分を物笑いの種にしている」と、至近距離からヴァイグルの腕にボールが当たったプレーがハンド、PKとなった判定を酷評した。

「選手たちに腕を切れというのか? こういうルールをつくっている人間たちは、鏡で自分のことを見られるのかね。これでタイトルレースは終わりだ。こんなこと、これまでに経験したことがない」

 さらに、この試合では、シャルケのサポーターがスタンドで掲げた横断幕も問題となった。2年前のチャンピオンズ・リーグで対モナコの試合前に、ドルトムントのチームバスが標的となった爆弾テロ事件の犯人の”釈放”を求めるバナーがスタンドに現れたのだ。

 事件で手首を骨折したマルク・バルトラは、試合後に自身のツイッターでこの横断幕が掲げられたことに触れ、「許しがたいし、受け入れられないし、悲しい」と非難し、適切な対応を求めた。

「関係当局がこの効果に適切な措置を講じることを期待する。サッカーにおけるライバル関係と、28人の命をもてあそんだ人間の”自由”を要求するのは別ものだろう」

 この横断幕とサンチョへのライターが投げつけられた件については、ドイツサッカー連盟(DFB)が調査に入る可能性があるという。ドルトムントとシャルケが激しいライバル関係にあることは周知の事実だが、後味の悪いダービーマッチになってしまったようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部