ブラックコーヒーの違いもわかる匂いセンサー「nose@MEMS」がスゴかった

写真拡大 (全7枚)

機械がコーヒーを嗅ぎ分けられる時代がやってくる。
すでに最新の匂いセンサーを使えば、ブラックコーヒーの違いを嗅ぎ分けることができるという。

■匂いセンサー「nose@MEMS」とは?
「鼻の穴から、未来が見える」というキャッチフレーズを掲げているのが第一精工株式会社だ。

第一精工株式会社は、
1963年、金型製作法・モジュールシステムによる精密金型の会社として設立。
金型製作により培われた精密加工技術を生かして自動機部門を設置し、今日では匂いセンサーをはじめとする小型センサーも製造している。

匂いセンサー「nose@MEMS」は、複数の検知素子が検出する「匂い分子のパターン」を認識して匂いを識別することができる。


匂いセンサー「nose@MEMS」


「nose@MEMS」は、
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電薄膜に、異なる感応膜を塗布した10種類の検知素子を1枚のセンサーチップ上に搭載したセンサーだ。
電圧をかけて共振している感応膜に匂い分子を付着させることで、共振周波数の変化から数値データを取得してパターンを照合することで、匂いを識別する。

「nose@MEMS」は、これまでの匂いセンサーに比べて、サイズが70縦×60横×10幅mmと小型・低コストが特徴だ。
小型で低コストであるため、検知素子の数を増やせば、より多くの匂いを識別することができる。「nose@MEMS」の、手のひらサイズのコンパクトな設計で、センサーチップとフィルターは交換式となっている。
製品は2019年秋に発売を予定しているという。


匂いセンサー「nose@MEMS」で使用されているセンサーチップ



■ブラックコーヒーの識別にチャレンジ
匂いセンサー「nose@MEMS」を活用は、凸版印刷株式会社との共同実証としてブラックコーヒーの識別した結果をウェアラブルEXPOの会場で発表。
この実証実験では、市販のブラックコーヒー4種類を匂いセンサーで測定している。

1種類につき500回ほどの測定を行った後、学習や識別を行うプログラムを開発。
教師データを作成した。

教師データに対して測定したブラックコーヒーのデータを照合することによって、ブラックコーヒーの識別にチャレンジしたという。

結果は、およそ90%の一致という成果を実現した。


匂いセンサー「nose@MEMS」で、ブラックコーヒーを識別している様子


データをプロットすると、ブラックコーヒーの種類によって、分布エリアが異なることがわかる。


ブラックコーヒーのレーダーチャート(資料提供:第一精工株式会社)


レーダーチャートにすると、種類によって特徴点が異なることも確認できる。


ブラックコーヒーのデータプロット(資料提供:第一精工株式会社)



タブレットで匂いの測定データを確認することもできる


匂いセンサーの想定用途としては、
・家庭用や産業用ロボットによる異臭検知
・農産物の品質確認
・介護向け見守りシステム
・清掃業務での最終チェック
・芳香剤等日用品での品質確認
・食品向けの識別や品質管理
・医療向けの匂いでの識別
・たばこ・トイレなどの匂いや、匂いの強さの検知
・そのほか、各種産業での匂いをトリガーとしたセンシング


匂いセンサーは人間の五感に直接関わる技術。
応用範囲にも期待がもてるだろう。


ITライフハック 関口哲司