Googleやヤフーら7社は18日、自殺予防に関する取り組みの共有ならびに連携の強化をすると発表した。神奈川県座間市で9名の遺体が発見された、10月の殺人事件を受けての決定となる。

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 ヤフーはこれまで、「死にたい」や「自殺したい」といった自殺願望関連のキーワードに対し相談機関の連絡先を表示する取り組みなどをしてきた。このような検索サービス事業者同士が、それぞれの取り組みを共有、協力する。

 連携の意思を見せたのはグーグルとヤフー、NTTドコモ、NTTレゾナント、ニフティ、日本マイクロソフト、ビッグローブの、「検索サービスの健全な発展に関する研究会」に参画する各社。ここに厚生労働省と総務省、法務省、経済産業省も参加し、意見交換などを行っていく。

 例えばすでに厚生労働省からは、電話による相談窓口に加えメールやSNSによる相談を受けるための窓口を準備していることが伝えられた。こういった情報交換を今後も続け、連携をより強めていくという。

 厚生労働省の2017年度自殺対策白書によると日本における2016年の自殺者数は2万1,897人となっており、死因順位は15〜39歳で第1位。その割合は15〜19歳においては36.6%、20〜24歳では50.1%、25〜29歳で47.2%と、高い数値が続く。

 厚生労働省は自殺対策として、自殺の実態解明、また自殺予防週間や自殺対策強化月間、自殺に関する知識の教育体制整備、相談員などの人材養成といった取り組みをしている。そこにはインターネット上に出回る自殺関連情報への対応も含まれる。

 しかし、インターネットやSNSを行き交う情報の量は膨大で、利用者数も同様だ。加えて、情報収集の主な手段とする人は若年層で多い。それを知ってかネットを悪用した犯罪も増えており、特に座間市の事件はショッキングな形で注目を集めた。自殺願望をもった被害者を犯行現場に誘い出すのにSNSであるツイッターが利用されたのである。

 検索サービス事業者7社と協力省庁の連携が上述のような事件の再発防止につながることに期待したい。