港区女子。

彼女たちが、得体の知れない存在であることは、東カレ読者であれば気づいている。

華やかで、顔が広く、有名人とのコネクションも豊富。夜な夜な西麻布界隈に繰り出し、そこまで稼げる仕事をしているようには見えないが、なぜか煌びやかな生活を送っている印象が強い。

遊び場同様、住まいも港区。麻布、六本木、広尾、白金、そして芝。とても年収500万円で住めるようなエリアではない。

ベールに包まれたその生態を解明すると共に、彼女たちは“なぜ港区女子になった”のか、その原点を紹介する。

これまでに、彼氏の力で港区カースト制度をのし上がっていった元・売れないグラビアアイドルの美希、育ちのコンプレックスから港区女子になった春香を紹介した。今週は?




<今週の港区女子>

名前:百合
年齢:29歳
職業:トータルビューティーサロン主宰
年収:300万円
出身:岐阜県
現在の住まい:芝


◯◯サロン主宰・プロデューサーと名乗りたがる女子


「現在は、芝の家で美と健康に関するサロンを開いています。」

開口一番に、そう意気揚々と話す百合は、現在ブログやFacebook、Instagramなどを駆使して顧客となる“生徒さん”集めに翻弄している。

「以前は洋服の販売員をしていたのですが、やりがいを感じられなくて。そこで独立して、サロンを開こうと決意したんです。一からの起業準備は大変でしたが、将来のために今が頑張り時だと思ってます。」

そこから百合の起業話、サロンの話は永遠に続いた。一見、SNSだけ見ていれば眩い女性に見えるだろう。しかし、百合の実態は全く異なる。

元々、注目されること、そして派手なことが好きだった百合は販売員だけでは生活できず、西麻布で出会った16歳年上の経営者・譲治から援助を受けている。

そしてその彼のお陰で、現在サロンを主宰している。


百合を港区女子にさせたのは、女友達から感じる“視線”だった...


朱に交われば、赤くなるはずだったのに


「子供の時や、学生時代に感じる劣等感より、大人になってから感じる劣等感の方がもっと辛いんですよね。」

元々高学歴でも絶世の美女でもない百合は、自分に何もないことを知っていた。だからこそ、帰属意識が強く、自分の市場価値を昔から異様に気にしていた。

ー周りにいる友達で、自分のランクは上げられる。

百合は、可愛くて華やかな女友達が好きだ。彼女たちのようなSクラス女子と一緒にいると、自分もそのクラスに属したような気持ちになれるからだ。

大学卒業後、百合は千葉の実家を出て、都内で一人暮らしを始めた。学芸大学駅近くの1K・家賃8.6万円の賃貸マンション。悪くなかったが、百合の周りにいたキラキラ系の女友達のほぼ全員が、港区界隈に住んでいた。

煌びやかな女友達と付き合うことで、既に周りの友達のような、Sクラスの仲間入りを果たしたと思っていた。しかし、お食事会などで会う人に住んでいる場所を言うたびに感じる視線は冷たかった。

「学芸大なんだ〜。でも分かるなぁ、百合ちゃんは“そっちのエリア”っぽいよね。港区にはいない感じ。」

住んでいる場所で、自動的に人はランク分けされていることに気がついた。




港区女子特有の、縄張りルール


そして何より、百合を港区に駆り立てたもの。それは男性からの視線はもちろんのこと、港区界隈に住んでいる“女友達”からの視線だった。

「港区女子特有の、他の区民に対する上から目線。学芸大学に住んでいる、と言う度に感じる疎外感。港区女子は港区女子で団結しており、他を寄せ付けないんです。」

港区女子が生きる華やかな世界。そんな眩い世界を生きている友達が多く、自分もすっかりその世界の住民になれたと思っていた。しかし、彼女たちからすると百合は眼中にも入っていなかった。

「百合、あっちの方に住むなんて、生活厳しいんでしょ?今度のランチ会、一人1万円は確実に越しちゃうから、無理しなくていいよ。」

「ねー今度、みんなで旅行行かない?あ、ごめん!気が回らなくて。百合ちゃんは厳しいよね?」

親切そうな顔をして人を侮辱してくる友達。そんな屈辱的な言葉に耐えながら、無理をしてでも有名人とのツテがあり、楽しそうな港区女子の集団に食らいついた。そしてそのツテで出会った経営者の譲治とそのような仲になった。

「譲治さんに関しては、ただのラッキーでしたね。好きとか、そんな恋愛感情は関係ありません。彼と付き合うことによって得られるメリットの方が大事ですから。」

譲治との出会いによって、家も生活も面倒を見てもらえるようになり、そして念願のサロンまでオープンした。ようやく、念願の“港区女子”のタイトルを手に入れ、“これでみんなと同じクラスに属せた”と胸を撫で下ろした。


港区女子になった百合。しかし港区女子の中でも格下と言われる事態が待っていた...


港区カースト制度の中では中の下の芝エリア


「これは港区に引っ越してから気がついたのですが、港区の中でもランクが綺麗に分かれておりまして...」

現在の百合の住まいは芝である。しかし港区女子の、目には見えないが、ハッキリと感じるカースト制度の中で、麻布・六本木・青山界隈のタワーマンションや高級低層物件に住む女子がSランクとされ、芝はBランクと格付けされていた。

「へぇ〜芝なんだ。ちょっと遠いよね(笑)」

港区女子の女子会に行く度に、言われるセリフ。
港区内で、こんな格差があるとは思ってもいなかった。

せっかく港区女子の仲間に入れたと信じていた百合。しかしそこでもマウンティングの対象となり、結局一番上に行けないBクラスの現実が待ち構えていた。

「だから、私は港区のそんな狭い世界ではなくて、サロン主宰者として、起業家として成功して、みんなに認めてもらおうと考えています。」

そう話す百合だが、ここにも滑稽な落とし穴があった。




サロン主宰者を上から目線で嘲笑う女経営者


百合が今一番の勝負カードだと信じている“サロン主宰”のタイトル。港区女子というタイトルよりも、こちらで勝負しようと考えているそうだ。

しかし、実際に法人化し、自分の力で頑張っている他の“本物の”女性経営者からすると、ままごとのような百合のサロン主宰、しかも裏には男性が付いているなんて鼻で笑うしかない。

また、レッスンの様子を毎回Facebookへupする行為も、周りの女性陣からの失笑を買っている。Sクラス女子は、意外にSNS投稿の数が少ない。百合の中途半端な感じが、彼女たちから見ると可笑しくて仕方ないのだ。

それでも、百合は今の自分が好きだという。港区に住んで、(そこまで生徒は集まっていないが)自分でサロンを運営している。毎日華やかで楽しそうな様子をSNSにアップすることで、自分も誰かに認めてもらった気がするという。

「私は、あのSクラスの女友達よりいいね!の数が多いから。」

港区在住、サロン主宰。

この響きとSNSのいいね!の数が、百合の今のプライドだ。

次週11月25日金曜日更新予定
強気の港区在住・女性経営者。強気でいられる根拠と生い立ちに隠された秘密

【これまでの港区女子の原点】
vol.1:彼氏のランクで引き上げられる、女の価値と港区カースト
vol.2:一般家庭出身という劣等感。お金で買えない“育ちの良さ”が欲しかった