最近になり敷金や礼金が不要ということで、注目を集めるようになっているのが「UR賃貸」。しかしUR賃貸は誰でも借りられるという訳ではなく審査があり、この審査に落ちてしまうと利用することはもちろんできない。

そこでUR賃貸の基本とメリットなどを踏まえながら、審査について解説していきたい。


そもそもUR賃貸とは?


そもそもUR住宅とは何か、ということだが俗に「団地」と呼ばれる集合住宅をはじめとした元公団住宅群のこと。元々、公団住宅というのは戦後に発足された勤労者向けに住宅を提供する「日本住宅公団」という団体が経営していた。

この団体は戦前に有った住宅営団の影響を受け、労働者に対して賃貸住宅などの住居を提供していたが、昭和30年代ごろになると都市部に集まる雇用者向けの住宅が足らなくなり、そういった需要に対応する必要に迫られている。そこで住宅公団は比較的土地が余っていた、都市近郊の大規模開発を行った。

その規模は一箇所につき数百から数千世帯単であり、当時の住宅地開発としてかなり大規模な物となっている。その結果生まれたのが、賃貸型の集合住宅や分譲型集合住宅(俗にいう団地)分譲型の一戸建て。公団はこれを日本各地の都市近郊に大量に建設を行った。

今でも日本各地に今でも残っている「〇〇団地」という名前はここから来ている。こういった団地は全国的に同じような作りをしているが、これはこういった事情があるため。また団地は現在の少子化の流れなどで数は減っているが、現在も多数存続している。

その後、日本住宅公団や宅地開発公団地域整備振興公団など、団地を管理いた公団は形を変えながら存続していたが、平成16年に独立行政法人として「UR都市再生機構」となった。

過去に作られていた団地や分譲、賃貸住宅の管理、運営、場合によってはリフォームや解体なども、UR都市再生機構が管理する。そしてUR都市再生機構が提供する、かつての団地のことを「UR賃貸」と呼ぶようになった。

因みにUR都市再生機構では団地の他に宅地の分譲やビジネス用物件の提供、また都市の再開発などを事業として行っている。


UR賃貸のメリットは多い


UR賃貸のメリット

UR賃貸のメリットとして、都市再生機構は以下の4つのメリットを掲げている。


1.礼金が不要

UR賃貸住宅では礼金など追加料金が不要で、初期費用が明確に決められている。必要な初期費用は月額家賃の2ヶ月分の敷金と日割り家賃、そして共益費。地方や業者によって変わる不明瞭な礼金や不謹慎な請求は一切なく、明瞭会計で入居時の初期費用が安く抑えられるというメリットがあるのだ。


2.仲介手数料が不要

UR賃貸は基本的に現地案内所やUR営業センター、UR賃貸ショップなどが紹介するので仲介手数料は必要ない。なので民間の不動産会社を利用するよりも費用を抑えることが出来る。


3.更新料が不要

UR賃貸では更新料を取っておらず、どれだけ長く住んでも追加費用は必要ない。(火災保険など保険に加入する場合は必要な場合もある)

UR賃貸の前身である公営住宅は日本のおける都市開発の走りともいえる存在で、大規模な開発を行うと同時に周辺に商業施設や学校、病院などを同時に誘致していた。そのため長く住める環境が整っている施設が多く存在している。


4.保証人が不要

UR賃貸では保証人が必要ない。民間で「保証人が必要ない」という場合、大抵保証会社(保証人の代行を行う会社)が保証を行うが、URの場合は完全に必要が無いので審査を受ける必要もなく、保証人を集めなくていい。複雑な手間を省くことが可能となっている。


そのほかにもメリットは多い

そのほかにも、UR賃貸は元々幅広い勤労者が利用する事を前提にしていた団地をリノベーションした物が多いので、単身者から家族、老人まで幅広い人が利用できる住宅が揃っている。

UR都市再生機構も団地の利用者を増やすためリノベーションに力を入れており、築数十年という施設も珍しくないが、それを思わせない最新の設備や耐震改修が行われており、近年の設備と比べても謙遜が無い施設が多くある。また勤め人向けの住宅だったこともあり、立地やインフラもある程度考えられ、条件もいい場所が多い

そして何よりも料金体系の明確さがメリットとなっている。入居の際に必要な料金も全国一律で決められており、地方によって必要な礼金や業者によって敷金が違うなどという事はない。

更新料もなく長く住むことが可能なため、撤去時の原状回復負担区分が明確に定められている。特にこの原状回復の負担は入居の際に明確に決めることが少ないためトラブルが多く、敷金礼金の返金と相まって長引く事もめずらしくない。

UR賃貸においてこの部分は明確に定められており、例えばクレヨンの落書きや壁に傷をつけてしまったという場合は利用者負担に。しかしテレビの放熱跡など、通常の利用に基づく損傷についてはUR都市開発機構側が対処する。

入居の際には「住宅点検確認書」が渡され細かな部分まで確認し、この際に発覚した傷などは求められることはなく、すぐに直してもらうことができる。このように高いサービスと品質が良い物件、これがUR賃貸の魅力なのだ。


気になる“デメリット”はどの程度だろうか?


それではデメリットは?

このようにメリットが満載のUR賃貸だが、デメリットも存在する。

まず一つが物件の立地。基本的には駅やバス停の近くなど立地が良い土地が多いが、設営されたのが30年以上前という物が珍しくないため、現在の土地事情に合っていないことがある。そのため物件によっては駅から徒歩10分など、立地条件が悪い物も。

また元々団地の多くは、家族向けに作られているので比較的部屋が大きい。その上施設のリノベーションや改築などの費用の問題もあるため、周辺の民間住宅よりも家賃が高くなってしまう傾向がある。

またリノベーションも物件によって進歩具合が違い、古い設備が未だに残っていることもある。比較的新しい物件だが、メインは昭和40年代から昭和末期の古い物件となっているので、築年数がそれなりに経っている。ただしこれらは全般的な問題ではなく、一部の物件にこのようなものがあるという問題。

全般的な問題としては、利用の際に抽選はないが、一定の審査があり、その基準に到達していないと利用できない可能性がある。

また逆にこの審査があまり厳しくないということで、利用者の幅が広く、トラブルを起こすような人間が利用していた場合、更新料などがないため長期滞在となってしまう可能性も。

初期費用が掛からないというのがひとつのメリットになっているが、家賃の高さと民間に比べて融通が利かないという部分なども併せて、この部分でのメリットをあまり感じないという人もいる。

また内覧は基本的に一回のみ。ただし、その分物件や管理の質が高いので、無意味にお金だけ掛かるということはない。


気になる審査について

このようにメリットが豊富にある一方で、デメリットといえる部分もそれなりにあるUR賃貸だが、入居の際は相当な人気物件であったり何らかの事情がなければ抽選ということはない。

また保証人なども不要ということで、入居がしやすいと考える人も多いが、UR賃貸では入居の際に申し込み資格を設けており、これに適応していなければ申し込むこともできない。

これは公示されている基準に達していなければ、申し込みができないというものであり、クレジットカードなどの人を選ぶ審査とは考え方が違う。なので基準を達成してれば、まず落ちることはないとされている。


審査では収入面が大きく影響している!?


申し込み資格と収入額について

UR賃貸の申し込み資格は、簡単に説明すると以下の通りである。

1.日本国籍、または条件を満たす外国籍の方で継続して自ら住むための住居を必要としている

2.UR都市再生機構が定める入居開始可能日から一か月以内に入居する。本人と同居家族が団地内で円満な生活を送ることができる。また不当な請求を行わないこと

3.暴力団員。反社会的勢力の構成員、もしくは関係者ではない。そういった組織に賃貸を提供しない

4.収入と貯蓄が基準額以上ある方

1〜3に関しての説明は不要だが、一番難しいのは家賃に対して、月収と貯蓄が十分でなければ申し込みができないということ。 その基準については明確な取り決めがあるが、高齢者や身体障碍者の人は特例としてこの基準に達していなくても利用できることがある。

具体的には 申込本人の毎月の平均収入額が基準月収額(家賃の4倍または33万円、家賃額が20万円を超える住宅については40万円)以上であること。基準貯蓄額(月収の100倍、基準月収の二倍以上ある人は50倍)以上ある人となっている。

単身者の申し込みの場合、基準月収が25万円以上であれば25万円になるという制度がある。ただし家賃が20万円以上を超える場合、通常と同じく40万円を基準月収としている。

また、同居親族と合算で本人の収入額の基準を下げることも可能。18歳以上の学生や60歳以上の高齢者、身体障害者など収入の面で問題が起こりやすい人は基準月収を下げる特例が設けられている。


結局、UR賃貸はどういう人が落ちてしまうのか


まとめ:UR賃貸に落ちてしまう人とは

このように様々なメリットがあるUR賃貸だが、デメリットも当然ある。そのなかでも審査の面で問題になりやすいことが多い。

この審査でも特に問題になるのは、収入の面。収入の面ではかなり厳格に基準が決められおり、これを達成しないと確実に落ちてしまう。UR賃貸と言うのは品質がよく、元々家族向けに作られたため部屋が大きく家賃も高い。そこに月収の4倍という月収基準や、その100倍という基準貯蓄額が加わるとUR賃貸を利用できないという人も多く出てきてしまう。

UR賃貸は保証人などを用意する必要がないというメリットがある分、どうしてもこういった収入での基準を設けざる得ず、礼金や保証人がいらない民間の不動産業者とは違った部分で借りることが出来ない人というのが出てくる。

そのほかの基準については、簡単に言ってしまうと「暴力団などの反社会的勢力などと関わりが一切なく、今後もそういった組織にかかわらない。そして素行良好で問題や犯罪に値する行為を行わない」というだけのことで、一般の人であれば引っかかることはない。

なので落ちてしまう理由は「基準の収入や貯蓄額に達していない」場合の人が多くなってくる。


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