三菱UFJ国際投信の外部委託運用部長、石崎健氏(写真)に、「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド(愛称:健次)」の特徴や当面の運用環境について聞いた。

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 三菱UFJ国際投信が運用する「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド(愛称:健次)」が「モーニングスター アワード ファンド オブ ザ イヤー 2015」の国際株式型部門で最優秀ファンド賞を受賞した。ヘルスケア業界は株式投資において公益事業と並ぶ「ディフェンシブセクター」に位置づけられ、景気に左右されにくい安定企業の代表だったが、近年は成長産業として注目されている。三菱UFJ国際投信の外部委託運用部長、石崎健氏(写真)に、同ファンドの特徴や当面の運用環境について聞いた。

――「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」は、2015年の1年間トータルリターンが12.82%、過去5年平均で年29.28%という高いリターンを残しています。ヘルスケア業界は、一般的にはディフェンシブ業界として知られ、景気に左右されない産業とのイメージがあります。この数年間の高い成長率は、業界の体質が変わったのでしょうか?

 「健康でありたい」、「病気を治療したい」という要求は景気の良し悪しに関係なくあるため、ヘルスケアセクターは景況感に左右されないディフェンシブなセクターといわれてきました。近年はそれに加え、成長ドライバーがいくつも現れ、成長株として評価される側面が出てきています。それは、2015年は世界的に株価が横ばい、または、マイナス成長という厳しい1年間でしたが、ヘルスケアセクターはプラス6.6%のリターンを残したことにも表れていると思います。

 まず、世界的な高齢化によって医療費の支出が増大しています。米国ではオバマ大統領の医療改革、いわゆる「オバマケア」によって、医療費の拡大傾向がはっきりしたとみなされ、ヘルスケアセクターへの注目度が高まりました。医療費の増大は社会保障費の増大に直結するため、国の医療費削減に向けた取り組みの活発化、ジェネリック医薬品の普及などが見込まれます。これらの動きも、ヘルスケア市場の拡大に繋がると考えられます。

 また、新興国の経済成長による所得水準の向上も追い風です。1人あたりGDPと医療費は比例する傾向にあり、医療や健康増進にお金が向けられるようになってきています。このような新興国で新しい市場が生まれ成長を遂げており、今後ヘルスケア産業の需要を牽引するでしょう。

 さらに、バイオテクノロジーの発展がもたらす医薬品産業革命があげられます。ゲノム(遺伝子)解析コストはこの15年で7万分の1となり、解読スピードも格段に向上しました。このようなイノベーションにより創薬プロセスが劇的に変化し、画期的な新薬が数多く誕生しています。

 バイオ医薬品の中でも、がん免疫療法という治療法への注目が高まっています。従来の免疫療法では、ヒトの免疫機能の攻撃力を高める方法が中心でした。しかし、免疫細胞の研究が進むにつれ、ヒトの免疫チェックポイントが、がん細胞への攻撃にブレーキを掛けていることが分かりました。そこで開発されたのが、ヒトの免疫システムのブレーキを外してがん細胞の破壊を促進する薬、免疫チェックポイント阻害剤です。米ブリストル・マイヤーズ スクイブと小野薬品工業が共同開発するオプジーボは、2014年に皮膚がんの治療薬として承認を受けて以降、肺がん、腎臓がんへと適応が拡大しています。現在も胃がんや食道がんなど多くのがんに対して臨床試験段階にあり、期待されています。

――「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」は、ヘルスケアセクターの平均的な成長率を上回る運用成績を残し、ファンド オブ ザ イヤーの最優秀ファンド賞を受賞しています。このファンドの優れた運用成績の理由は?