洋室と和室だけじゃない!「ホテル」と「旅館」の違いは〇〇で区別するのが正解
「ホテル」と「旅館」はなにが違うのか? 洋室ならホテルと思われがちだが、法律上は「おもに洋室」とされているので和室もOKだし、旅館に洋室でも構わない。ひとめで区別できる要素は、部屋数と、水洗式トイレしかないのだ。
■和室のホテルも、洋室の旅館もOK!
ひとが宿泊できる施設は、昭和23年に施行された「旅館業法」によって定められ、
・ホテル
・旅館
・簡易宿泊所
・下宿(げしゅく)
の4つに大別される。簡易宿泊所はカプセルホテルやキャンプ場のバンガローなどの「客室を共有する」施設、下宿は1ヶ月以上の「長期」を単位としたものと定められている。
ホテルと旅館の違いはなにか? おなじく旅館業法・2条には、
・ホテル … 洋式の構造および設備を「おも」とする施設
・旅館 … 和式の構造および設備を「おも」とする施設
としか定めがなく、和室があるから「ホテルじゃない」とは言い切れないし、逆に旅館で洋室もOKだ。つまり、客室が共有されない構造で、1ヶ月未満の短期でも宿泊できる施設は、和室か洋室かだけではホテル/旅館の区別ができないのだ。
これは「旅館業における衛生等管理要領」に記され、ひと部屋の面積と部屋数を比較すると、
・ホテル … 9平方メートル以上 × 10室以上
・旅館 … 7平方メートル以上 × 5室以上
とされ、2平方メートルの差は「ベッドの面積」だ。また、ホテルは洋室が、旅館は和室が半分以上と定められているので、これを超えなければ「和室だらけのホテル」でも構わない。せっかくの旅行だから高級旅館でのんびりしよう!と予約したらじつはホテルだった…もあり得るので、気になるひとは、部屋数と和洋室の比率を確認しておこう。
■ホテルの決め手は水洗式トイレ?
さらにフシギなのはロビーとトイレで、ロビーと洋式トイレがないと「ホテル」と名乗れないのだ。
これも旅館業における衛生等管理要領によって、ホテルには以下の設備が必要とされている。
・施設設備の基準12(ロビー) … ロビーを設けること
・施設設備の基準20(便所) … 水洗式 かつ 座便式
座便式は洋式トイレの意味なのでホテルに必須なのは理解できるが、「水洗式」でないとホテルの看板があげられないフシギなルールが存在する。
ややこしいのは、これらの設備が旅館にあっても構わない点だ。ただし面積や材質にも制限が多く、もしロビーを作るなら、定員1名あたり、
・応接セットと通路面積 … 6.3平方メートル
・いすの面積 … 1.1平方メートル
などと定められ、この基準はホテルも旅館も共通なので、広さや見ためでは判断できない。
5室未満なら旅館と判断できるが、「〇〇楼」「〇〇庵」のような和風の名前でも、じつはホテル!は大いにあり得る。どうしても旅館に泊まりたいなら「非・水洗式」のトイレを手がかりにするしかなさそうだ。
■まとめ
・ホテルは10室以上、旅館は5室以上が必要
・ホテルには、水洗式の洋式トイレが必要
・ホテルにはロビーが必須だが、旅館にあっても構わない
