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「決算書を読める人は損益計算書ではなく貸借対照表を見る」。脱・税理士の菅原氏が、決算書を巡る"プロの証明"として語られるこの言説に、真っ向から異を唱えた。

「素人は損益計算書を見て、プロは貸借対照表を見る」という言説は、ビジネスの場で繰り返されてきた。しかし菅原氏はこれを「マウントの取り方に過ぎない」と断じ、プロはどちらも見ると明言する。損益計算書なしには今期の儲けすら把握できず、片方だけ見ていてもビジネスの実態は掴めないからだ。むしろ、貸借対照表だけを持ち出す人ほど、その内容を本当に読めているのか疑わしいと菅原氏は鋭く指摘する。

では、損益計算書で何を見るべきか。菅原氏が重視するのは経常利益率ではなく、粗利に対して経常利益がどれだけ残っているかという比率だ。売上高に対する経常利益率は業種やビジネスモデルによって大きく異なるため、単純な比較に意味はない。原価が発生する飲食業と、原価がほぼゼロのコンサルティング業では、同額の利益を上げていても率は全く違って見える。粗利の10~20%が経常利益として残る状態が健全の目安であり、この比率が10%を下回れば固定費の見直しが必要になるという。

もう一方の貸借対照表については、注視すべきポイントはほぼ一点に絞られる。それは現金預金だ。倒産は赤字が原因ではなく、手元の現金がなくなったときに起きる。黒字でも資金が枯渇すれば会社は止まり、赤字でも現金があれば持ちこたえられる。菅原氏は現金預金の目安として「固定費の半年分」を挙げ、この水準を割り込んでいる場合は不要資産の売却や借入の活用を検討すべきだと論じる。不要な設備や土地を保有したままでは現金が形を変えて眠るだけで、資金繰りの改善にはつながらない。

利益剰余金、つまり内部留保についても、「会社に貯まっているお金」と混同されがちだが実態は違う。利益は在庫・設備・敷金など資産の形に姿を変えており、現金そのものではない。会計上の利益と現金の動きがずれる仕組みこそが、貸借対照表が必要とされる本質的な理由だ。

損益計算書は生産性を測るツールであり、貸借対照表は資金繰りをコントロールするための指標だ。両者は目的が異なるだけで、どちらも欠かすことができない。売上高の多寡でマウントを取り合う議論は本質から外れており、経営の核心は粗利と現金預金を的確に設計し続けることにある。