値段が下がってきた4Kディスプレイだが、なぜ普及しないのか「ただ今のPCに繋ぐだけはダメだった」

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スマホやタブレットでも高解像度、高精細ディスプレイが増えてきた。PCタブレットやノートパソコンでは、1920×1080ドット(フルHD)を超える高解像度のディスプレイを搭載する製品は増えており、いよいよ4Kディスプレイ時代が近づいている。

それが一番わかりやすく表しているのが販売価格だ。
いわゆる4Kディスプレイ、3840×2160ドット(UHD)と呼ばれる高解像度ディスプレイの価格は、5万円程度からと入手できる価格にまで下がってきているのだ。

ところが、一部の用途(映像編集、3D CG作成、CAD)といった用途を除き、一般のパソコンユーザーへの4Kディスプレイの普及は、価格に比べて進んではいない。

実は、一般ユーザーの普及が遅れているには、くつかの理由があった。

■買ってつなげば4K環境! というわけではない
当たり前の話だがノートパソコン、スマホやタブレットは、搭載されているディスプレイの最大解像度で表示されるので何も問題はない、

ところがデスクトップパソコンの場合は、そうではない。
組み合わせるディスプレイの解像度に対応するグラフィックカードが必要になるからだ。
たとえば4Kディスプレイを接続する場合、今使っているパソコンのグラフィックスの出力が3840×2160ドットをサポートしている必要があるのだ。

特に、少し前や古いパソコンでは、この4K出力に対応していなかったりする。そのため4Kディスプレイを買ってきてつないだだけでは、4K環境にはならないのだ。

■4Kには、ほかにも越えなければいけないハードルがある
つまり、4K環境を自宅のパソコンで実現するには、今現在使っているパソコンが、4K出力に対応していない場合、新しいグラフィックスカードを購入して交換する必要がある。

また、現在のパソコンが4K出力できる仕様であっても、注意しなければならない大きな落とし穴がある。
それが、出力端子の問題だ。

既存のディスプレイ端子であるDVI端子とHDMI端子では、4Kを出力した場合、リフレッシュレートが30Hzになってしまうのだ。

4Kで動画やゲームを楽しみたいなら、リフレッシュレート60Hz表示が必要となる。30Hz表示では、動画再生やゲームプレイなどの使用には耐えない。30Hz表示では、静止画編集やOfficeなどのビジネス利用と割り切って使うしかないのだ。

なぜ、DVI端子やHDMI端子の4Kディスプレイの表示が30Hzになるのだろう。
理由は、4K(3840×2160ドット)でリフレッシュレート60Hz表示をするには、16Gbpsの帯域を必要とする。つまり、DVI端子やHDMI端子では、4K(3840×2160ドット、60Hz)の表示に出力が十分に対応できていないことが問題なのである。

■現行のディスプレイ向けインターフェイスの帯域
DVI(デュアルリンク):7.4Gbps
HDMI 1.4/1.4a:10.2Gbps
DisplayPort 1.1/1.1a:10.8Gbps
DisplayPort 1.2:21.6Gbps

現状で対応できているのが21.6Gbpsの帯域を持つDisplayPort 1.2ということになる。
HDMIの最新2.0 Lv.Aで4Kに完全対応すると言われているが、普及はまだ先の話なのだ。

さらに、4Kを使うには、OSがフルHD以上の解像度で利用されることを前提としたOSであることが必要になる。具体的にはWindows 8.1やMac OS X(Yosemite)が必要で、それ以前のOSバージョンでは非対応なのだ。

以上、デスクトップパソコンで4K/60Hzを出す条件を整理すると以下のようになる

1)3840×2160ドットを出力できるグラフィックス性能がある
2)3840×2160ドット、60Hz出力が可能なDisplayPort 1.2を搭載
3)4K解像度を利用できるOSであること

以上のようにデスクトップパソコンで4K環境を利用するには、まだ思った以上に高いハードルがあるのだ。

格安の4K対応ディスプレイが販売されはじめてはいるが、3840×2160ドットで30Hz表示しかできない製品だったりするので注意しよう。
小川夏樹(ITライフハック副編集長)