今大会ではセミで、バンタム級王座を再獲得するため、高いハードル=ジョセフ・ベナビデス戦を用意されたミゲール・トーレスも、シカゴエリアで名前を挙げた元ローカル・ヒーローだ。

昨年8月に思わぬTKO負けで王座を失ったミゲール。本来はボクシング+レスリングで、フィジカル偏重のベナビデスのようなファイターの料理は得意としているはずだが、キャリア初のTKO負けで、相手の勢いを利用した、まるで対戦相手を包み込むような寝技にどのような変化が見えるか。

また、ソフトな寝技の使い手という印象の裏で、ラテンの血の持ち主らしく、頭に血が上りやすい気質であり、目には目を歯には歯を――拳には拳をという戦いになりやすいのもミゲールの特徴だ。

仮にベネビデスと打撃戦を繰り広げることになれば、ドミニク・クルーズの足使いにやられ、ハニ・ヤヒーラを一撃で仕留めたベナビデスにとって、思い通りの試合展開に持ち込むことになる。バンタム級次期チャレンジャー決定戦といってもいいこの一番、ミゲールの試合運びが注目される。

この他にも、注目のファイターの出場が目白押しの今大会。エリック・コウとWECデビュー戦を迎えるチャド・メンデスは、なかでも特に気になる選手といえる。

ベネビデス同様、ユライア門下のメンデスは、2度のオールアメリカン獲得経験があるレスラー。西の登竜門PFCで08年9月にプロデビューを飾り、TPFまで5連勝でWECからスカウトされた。

ユライアのスタイルをさらにレスリングに特化したパウンダーという印象の強いメンデスだが、WECは勢いだけで勝てる場でないことは、師ユライアの試合を見ても明らかだが、彼らの思考は、アグレッシブにいって勝てないなら、さらにアグレッシブになるというもの。

豪快なWECデビュー戦が期待されるメンデスだが、対戦相手のコウはガルシアを苦しめ抜いたジャマール・マスーを破っているファイター、期待の新鋭にとっても十分に厳しい初戦といえるだろう。それが、WECが現在の充実したラインナップを生んだ要因。この難関を乗り越えて初めて、チャド・メンデスの名は全国区への一歩を踏み出すことになる。

また、IFLライト級タイトルコンテンダーから、WECフェザー級の頂点を目指す、リトアニア人ファイターのタウロセビチュス。対戦相手はアドレナリン〜アフリクション〜戦極と渡り歩いてきたLC・デイビス。渋い勝利の方程式を貫くLCを、タウロセビチュスが如何に打撃と柔術の妙で切り崩すのか。LCの判定勝ちなら、まず凡戦が予想される一戦だけに、タウロセビチュスの攻撃力に期待がかかる。

メインカードのオープニングを飾るバート・パラジェンスキーに挑む、第三のアルメニアン=カレン・ダラベジャン。プレリミ出場が不思議なスコット・ヨルゲンセン×チャド・ジョージの一戦。

さらに地味に第2試合出場となったフレジソン・パイシャオン。さらにさらに、フランスの組技界ナンバーツー(ナンバーワンは、組技に専念するダビ・ピエールルイジ)=ベンディ・カシミール、日本で中蔵隆志には敗れているが、TUF9準優勝のアンドレ・ウィナーに勝っているファイターの初出場など、本当に見所の多いWEC47だ。

■WEC47対戦予定カードは下記の通り

<WEC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ブライアン・ボーウェルズ(米国)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス(米国)
ミゲール・トーレス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ハビエル・バスケス(米国)
ジェンス・パルバー(米国)

<フェザー級/5分3R>
LC・デイビス(米国)
デヴィダス・タウロセビチュス(リトアニア)

<ライト級/5分3R>
バート・パラジェンスキー(米国)
カレン・ダラベジャン(アルメニア)

<バンタム級/5分3R>
スコット・ヨルゲンセン(米国)
チャド・ジョージ(米国)

<フェザー級/5分3R>
エリック・コウ(米国)
チャド・メンデス(米国)

<ライト級/5分3R>
ダニー・カスティーリョ(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<フェザー級/5分3R>
レオナルド・ガルシア(米国)
ジョージ・ループ(米国)

<フェザー級/5分3R>
コートニー・バック(米国)
フレジソン・パイシャオン(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
リカルド・ラマス(米国)
ベンディ・カシミール(フランス)