キム兄こと木村祐一(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)は、ただのフリートークの名手ではない。写真に独自の解説を付ける「写術」という芸を持っている。木村はこの写術をライフワークとして定期的に公演を続けているが、この秋、ついに初の海外公演が行われることとなった。

 写真に即興でコメントを付けることは大喜利では定番のネタ。フリップ芸も定着してきたし、写術も見たことがない人にとってはこれらと大差ないと考えてしまうかもしれない。しかし、写術の凄みは写真を木村自身が撮影していることにある。

 常人なら何気なく通り過ぎてしまう場面でも、おもしろセンサー的なものが働くのだろうか、木村は抜かりなくシャッターを切る。一見なんの変哲もない写真でも木村の解説が付くことで大爆笑の一枚となるのだ。その目の付け所はさすが奇才といったところ。すべらない話はあくまで才能のひとかけらでしかないことが、この写術でありありとわかる。

 放送作家としても活躍している木村。それに由来するのだろうか、写術には笑いを提案する人間がやる笑い、といったような雰囲気がある。やはり放送作家としての顔を持つ芸人、世界のナベアツ(吉本興業)の3の倍数や声カッターもそうだ。これらは放送作家がおもしろいことを思いついたけれど他の芸人にはやらせたくない、自分でやるのがもっとも笑いに昇華させられる、といったネタのように思えてならない。だからこそ、写術の木村も3のナベアツもあんなに楽しそうなのだろう。

 木村の写術公演は10月に東京、大阪、ロサンゼルスの3ヶ所で行われる。海外で写術がどのように評価されるか楽しみだ。

大阪、東京、ロサンゼルス公演決定!!★木村祐一SHOW「写術」2008 http://fandango.laff.jp/news/2008/08/show2008-67f5-1.html

(編集部 三浦ヨーコ)


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