日本代表が誇る対人型センターバックが大物2トップとの対決に燃えている。DF渡辺剛(フェイエノールト)はグループリーグ第3節スウェーデン戦を2日後に控えて報道陣の取材に応じ、FWアレクサンデル・イサク(リバプール)とFWビクトル・ギェケレシュ(アーセナル)への警戒を口にしつつ、組織力での完封を誓った。

 グループリーグ第3節で対戦するスウェーデンは今大会を3-5-2のシステムで戦っており、プレミアリーグ屈指の能力を持つイサクとギェケレシュの2トップが攻撃の軸。いずれも初戦チュニジア戦ではゴールを奪い、幸先の良いスタートを切ってきたが、第2戦ではオランダ相手にゴールがなく、日本戦にはグループリーグ突破のためモチベーション高く挑んでくる可能性が高い。

 日本の3バックにとっては、彼らをいかに止めるかが大きな鍵となる。渡辺は「攻撃陣のリスク管理」にテーマを設定し、「カウンターが武器だと思うので、2枚でマンツーマンで守るのではなく、3枚で1枚余らせながら管理しないと守り切れる相手かわからない。3枚で話しながら2枚で守る時もあれば、カウンターが怖い時は3枚で守りたい」と展望した。

 日本代表は昨年9月以降、W杯出場国との対戦を重ねてきたが、昨年9月のメキシコ戦ではFWラウール・ヒメネスを完封したのに対し、アメリカ戦ではFWフォラリン・バログンに個人技で破られたという苦い記憶が残る。また昨年10月のブラジル戦ではウインガータイプのFWビニシウス・ジュニオールが前線で起用されていた他、今年3月のイングランド戦でFWハリー・ケイン、今大会初戦のオランダ戦でFWブライアン・ブロビーが欠場するなど、そもそもストライカー不在のチームと戦うことも多かった。

 そうした中、メキシコ戦でヒメネス、今年3月のスコットランド戦でFWリンドン・ダイクスとの激しいマッチアップを繰り広げた渡辺には対人守備での期待が高まる。渡辺も「オランダもブロビーが出てきていなかったし、イングランドも2トップはシャドーっぽい選手だったし、あまり最近はそういう経験をしていない」とチームとしての経験不足を見つめつつ、「ここに合わせてきた選手、そこまで試合に出ていなかった選手はそういう選手とマッチアップしていないことが多いので、チーム全体で注意しないといけない」と警戒を口にする。

 さらに今大会ではフィニッシャー役で異次元の得点力を見せるアルゼンチンのFWリオネル・メッシを筆頭にノルウェーのFWアーリング・ハーランド、フランスのFWキリアン・ムバッペ、ポルトガルのFWクリスティアーノ・ロナウド、イングランドのFWハリー・ケインら各国のエースストライカーが順当に結果を残し始めており、日本代表がこの先勝ち上がっていくためにもストライカー対策は必須だ。渡辺は「今は調子がいいからこそ、そういう選手に一発決められて流れを変えられると、自分たちのモチベーションも雰囲気も全然変わってしまう可能性がある。そこも注意しないといけない」と力を込める。

 それだけにスウェーデン戦には細心の準備をして挑んでいく構えだ。

 渡辺は「僕がここからの短い期間でフィジカルが強くなるとかはない」と割り切り、これまで積み上げてきた能力をぶつける姿勢だ。「だからいい準備をして、いいコンディションで、僕の場合は相手より早く予測して、相手より先にボールが来る場所を予測して、早く動いて、(相手は)足も速いし、0.1秒早く動くことによってボールを触れたりというのが生まれてくると思うのでそこは意識したい」と準備に意気込んだ。

 強力なストライカーとマッチアップする際の準備においては「僕はもう相手の特徴を全部調べる。プレースタイルもそうだし、相手の分析は見られる分だけ見る」と頼もしい姿勢。「あとはその選手がプレースタイルのところでどうマッチしているかをすごく気にしている。スピードで来るのか、足元に入ってから力を出してくる選手なのか、オフの動きがいい選手なのかというのを見ながら僕のプレーも変わってくる」といい、入念なスカウティングで迎え撃つつもりだ。

 そして最後は自信とモチベーションをぶつけるだけだ。「こういう時こそ自分の力。今までもビニシウス選手だったり、いろんな選手とやってきて、止めてきた。おのおのDFラインにいい特徴を持っている選手がたくさんいるけど、僕の特長はそういう選手を止めるところ。楽しみな試合になる」。日本屈指の対人能力を持つCBとして、まずは北欧が誇る強力2トップの壁となる。

(取材・文 竹内達也)