日本代表DF菅原由勢(ブレーメン)が盟友・久保建英を欠いて臨むチュニジア戦に向けて大いに意気込んだ。

 攻撃の中心として存在感を発揮してきた久保の欠場がチームにとって大きな損失であることは間違いなく、 「タケはチームの中心だったし、タケが抜けるとチームとして何か変化があるのは当然だと思います」と菅原は言う。だが、その不在を嘆くだけではない。

「逆にタケが抜けたからこそ、タケの代わりじゃなくて、自分自身が違いを見せてやろうという気概を持ってトレーニングしている選手しかいない。誰が入ってもそれ相応の違いを生み出せる選手しかいないと思うし、その準備は万端だと思う。また違った攻撃のジャンルになると思います」

 久保の穴を埋めるのではなく、自分たちの新たな強みを示す。オランダ戦で流れを変えた男は、再び出番が訪れた時に試合を動かす準備を整えている。

 指揮官が交代したチュニジアについては警戒心を示しつつも、「サウジアラビアの監督もやっていたので、対策はしっかりと分かると思います」と自信を見せる。チュニジアを新たに率いるのは、22年カタールW杯でサウジアラビアを率いてアルゼンチン撃破を成し遂げたフランス人指揮官のエルベ・ルナール監督だ。

 カタールW杯で優勝したアルゼンチンに唯一の黒星をつけたことで知られるルナール監督は、昨年3月にサウジアラビア代表監督として北中米W杯アジア最終予選で日本と対戦。その試合ではそれまでのサウジアラビアの基本システムである4バックではなく、日本と同じ3-4-2-1を採用し、埼玉スタジアムでの一戦を0-0の引き分けに持ち込んだ。状況に応じて柔軟に戦い方を変える策士としての実績を持つだけに、チュニジアがどのような布陣で臨んでくるかは読み切れないが、それでも菅原は「5枚でも4枚でも、どっちでも来てもいいように準備をしっかりするだけ」と動じない。

 菅原はグループリーグ初戦のオランダ戦では1-2とリードされていた後半30分から出場。同じタイミングで投入された冨安健洋、小川航基とともに流れを変え、2度目のビハインドでもタフに追いつく粘り強さを体現して価値あるドロー決着に貢献した。

「途中からでも最初からでも、自分にできる最大限の準備をしっかりすることっていうのは毎試合変わりない。それをまたチュニジア戦に向けていい準備するだけ」。盟友の思いも背負いながら、菅原はチュニジア戦でも自らの力を示すつもりだ。

(取材・文 矢内由美子)