都立病院で出生時に別の赤ちゃんと取り違え「都へ制裁金」申し立て…男性側、戸別訪問調査求める
東京都立墨田産院(閉院)で出生時に別の赤ちゃんと取り違えられた江蔵智さん(68)は18日、生みの親の調査義務を果たしていないとして、都への制裁金を求める「間接強制」を東京地裁に申し立てた。
間接強制は、一定の制裁金を支払わせることで、判決や決定を守らせる強制執行の一つ。裁判所が申し立てを認めるかや制裁金の額を決める。
江蔵さんは1958年に同院で生まれたが、2004年、育ての親と血縁関係がないことが判明。昨年4月の東京地裁判決は、都に生みの親の調査を命じ、確定した。
都は昨年9月以降、江蔵さんと同じ月に墨田区に出生届が出された男性116人のうち、同院で生まれた可能性のある38人と両親14人の計52人に絞り、文書を郵送して調査協力を依頼。協力すると回答した人のDNA型鑑定を行ったが、血縁関係はなかった。
江蔵さん側は、未回答の人に対する戸別訪問を求めたが、都は「対象者の心情に配慮する必要がある」などと応じず、今年3月に調査を打ち切った。
江蔵さん側は申立書で、確定判決が調査の手段として「戸別訪問など適切な方法」と言及していたことを踏まえ、「確定判決は都に戸別訪問を行うことを義務付けている」と主張。戸別訪問を履行しない場合には1日あたり相当額の制裁金を科すよう求めた。
申し立て後に東京都内で記者会見した江蔵さんは「手紙だけで調査が終了するとは思わず、ショックだった。協力するか迷っている人も多いと思うので、戸別訪問で丁寧に趣旨を説明してほしい」と話した。
都は「調査の対象となる人の心情にも配慮しながら、丁寧に進めてきたところだが、申し立ての内容を確認した上で、適切に対応していく」とコメントした。
