「すごい曲が来た」可愛さへの挑戦−−ピュアリーモンスター塙有咲、声優の技術とロック魂 フロアを仲間に変える瞬間
声優アイドルユニット「ピュアリーモンスター」(ピュアモン)が、4月14日に2年ぶりとなるシングル『しゅがぴゅあ』をリリースした。スポニチ東京本社でのインタビューに応じたのは、グループの「カッコよさ」を担う塙有咲(はなわ・ありさ)。磨き上げた声優の技術と、根底に流れる「ロック魂」を融合させ、新たな扉を開こうとする表現者の現在地を追った。(「推し面」取材班)
「すごい曲が来たな、と思いました」。デモ音源を初めて耳にした瞬間の衝撃を、かみしめるように振り返る。新曲「しゅがぴゅあ」は、歌詞やメロディーに遊びをふんだんに盛り込んだ、中毒性の高い「電波曲」の系譜にある一曲だ。グループにはライブの定番曲「PURE×PURE×PURE」という“可愛さ”の金字塔があるが、今作はそれをも凌駕するほどのインパクトを放つ。
「可愛さのベクトルが少し違っていて、より『可愛い』という感情に特化しています。声優としての表現で、ここまで振り切った世界観を追求できる楽曲に出合えたことは幸運でした」
そう語る表情には、単なるアイドルの笑顔を超えた、職人的な探究心がにじむ。特に思い入れが強いのが、1サビ前の「これでキミも仲間入りだね」というソロパートだ。客席の一人ひとりを「仲間」として巻き込み、熱狂の渦へと誘う導火線の役割。初めてライブに来た人も決して置いていかない――。そんな強い意思表示を、この短いフレーズにギュギュッと凝縮させている。
情熱を注ぐステージにおける「熱」の作り方。その教科書となったのは、10年以上追い続けている人気ロックバンド「ONE OK ROCK」の存在だった。
「声優を志した時に、両親を説得できたのも彼らの音楽に勇気をもらったから。私の人生において、ロックは切っても切り離せないものです」
今作で担当する「煽り」のパフォーマンスには、憧れたバンドマンたちの背中を追い、研究を重ねてきた成果が詰まっている。ダンスや歌だけで終わらせず、その瞬間の空気感を支配し、フロアを鼓舞する。それはアイドルという枠組みを超えた、一人の表現者への挑戦状でもあった。
一方で、カップリング曲では対照的な表情をのぞかせる。自身のルーツに近いクールな世界観の「カナリアンフライト」、そして切なさがにじむ「君がいた渚」。これら全3曲のハモりパートを一人で担った事実は、グループ全体の音を支える「屋台骨」としての自負そのものだろう。「グループの中では私がかっこいいところを担っている。その色を出しつつ、音に貢献できているならうれしい」
「ライブならではの最高な空気を作りたい」。可愛さに振り切る勇気と、芯にあるロックな尖り。その両輪を全力で回しながら放たれる魂の「煽り」が、静かな決意となってフロアの隅々まで侵食していく。
その「叫び」に、また一人、新しい仲間が引き寄せられていく。
