心配や不安が強い場合はいつ受診する? 受診の目安を解説【不安症がわかる】
次から次へと気がかりなことが思い浮かび、不安で、不安でたまらない――そんな状態が続くことがあります。「心配性」「怖がり」など、性格や気質の問題のようにとらえられがちですが、生活に差し障りが生じるほどの現れ方であれば「不安症」という病的な状態ととらえられます。
「不安をなくそう」「不安になるのを避けよう」とすればするほど、不安は強く大きくなり、不安にとらわれやすくなっていきます。書籍 『不安症がわかる本 とらわれから抜け出す』から、「不安」とは何か、といった基礎知識をはじめ、さまざまなケース例とともに不安へのとらわれから抜け出す方法を具体的に紹介します。
受診の必要性は困りぐあいで判断する
心配や不安が強いからといって治療の対象になるようなことなのか、迷うこともあるでしょう。
過剰な不安により生活がおびやかされるような事態が生じているなら「病気」ととらえられますから、もちろん治療の対象になります。正確な診断を受けておけば、治療の進め方や適切な対応のしかたを考えやすくなります。
一方で、不安へのとらわれから抜け出すには、日々の取り組みも重要です。まだ病院に行くほどではないと感じているなら、受診を急がず、暮らしのなかでの取り組みを続けてみるのも一法です。
■受診を考えるめやす
不安が強いために次のようなことで困っているのなら、生活に支障が現れていると考えられます
〇身体症状の強さ
・寝つけなかったり、夜中に何度も目が覚めたりしてよく眠れない
・食欲が落ちる、あるいは過食が止まらない
・原因不明の体調不良が続く
〇活動への影響
・強い不安があるためにやるべきことや、やりたいことができない
・人と話すこと、話さなければならない状況を避けてしまう
・外出できない
〇思考のかたよりや苦痛の強さ
・ばかばかしいと思っても、ずっと考え続けてしまう
・人からどう思われたかが気になり、ほかのことが考えられない
・「最悪の結果」ばかりが頭から離れない
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〇精神科や心療内科へ
不安症群に含まれる病気や、強迫症をはじめとする関連疾患の診断・治療は精神科が専門です。不安症の治療は心療内科でも受けられます。
■受診前後の一般的な流れ
受診のきっかけ、受診後の診察は、一般的に次のように進められます。
薬物療法と行動療法が治療の柱
不安が強いからといって不安症とは限りません。うつ病や統合失調症、双極症など、ほかの精神疾患で不安が強まることもあります。貧血や甲状腺機能の異常など身体疾患との鑑別も必要です。
医師による問診と診断が終わったら、治療が始まります。日本の精神科・心療内科で一般的なのは薬物療法です。診断名にかかわらず、不安、不眠など、いま困っている症状をやわらげるために薬が処方されることもあります。
一方の行動療法は、精神科医や心理士など専門家のもとでおこなうのが望ましいものの、実施していない医療機関もあります。
本書で示す方法などを参考に、自分で取り組んでみるのもよいでしょう。
■柱となる治療法は共通する
診断名は違っても、不安症群や強迫症をはじめとする関連疾患に対する治療法は、基本的に共通しています。
〇薬物療法
症状をやわらげたり、不安感受性を下げたりする効果が期待できます。ただし、服薬するだけで不安が消え、困っていることがすべて解消されるわけではありません。服薬しながら、行動を変える取り組みが必要です。
飲み始めはかえって不安になることもあるため、薬の効果を見極めるためには内服を1週間以上続ける必要があります。
〇行動療法
認知行動療法ともいわれます。認知(考え方)が変わると行動が変わる、行動が変わると認知も変わるという考え方が基本にあります。
「考えすぎだ」と自覚していても心配が止まらない状態を変えるには、まず行動を変えてみることが有用です。
〇生活のなかでの取り組み
医療機関での治療とともに、しようと思っていることに取りかかる、気づかないうちにパターン化している生活を見直して変化をつけるなど、自分自身の取り組みが欠かせません
■治療の進め方の例
具体的な治療内容や治療期間は、症状の現れ方や医療機関によって異なりますが、一般的には次のように進められます。
