直近3試合で3連勝と上々の仕上がりをみせたメキシコ代表。ついに負のジンクスを打ち破る時が来た。(C)Getty Images

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 アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共同開催によるFIFAワールドカップが、現地6月11日(日本時間12日)に行なわれるメキシコ対南アフリカで開幕する。翌日の試合会場となるメキシコシティ・スタジアムにあるメディアセンターでの前日記者会見には、メキシコのハビエル・アギーレ監督、南アフリカのヒューゴ・ブロース監督が相次いで登壇した。 

 選手の顔ぶれやこれまでの実績などを考えると、メキシコ有利は動かぬところ。8万人を超える熱狂的な応援も背中を押すだろう。だが、2014〜15年に日本代表を指揮したアギーレ監督は「浮き足立ってはダメ。前半で試合を終わらせようとしても、時間は90分あるんだ」と手綱を引き締める。かたやブロース監督も「こういうグループでは初戦に勝つことが大事。勝てないと難しい立ち位置になる」と引く気配はない。 
  
 今回が9大会連続18度目の出場で、メキシコはW杯の常連と言える存在。ところが、開幕戦ではまだ一度も勝ったことがないのが不思議だ。第1回の1930年ウルグアイ大会でフランスに1−4と敗れた(アメリカ対ベルギーも同時開催)のを皮切りに、2010年南アフリカ大会で開催国と1−1と引き分けるまで7度、不名誉な記録が続いている。地元で開いた1970年大会でさえ、ソ連とスコアレスドローに終わった。 
  
 そのデータについて、アギーレ監督はこの記者会見で初めて知ったという。しかし、すぐに「それなら明日の試合に勝たなければならない理由がもう一つ増えた。選手たちにも伝えよう」と返し、モチベーションのアップにつなげるつもりだ。「その記録を破る」と自信ものぞかせた。 
 
 メキシコは1986年にもW杯を開催したが、当時は前回王者のイタリアがブルガリアと開幕戦を行なった。メキシコはというと、それから3日後の初戦でベルギーを2−1と下している。そのベルギー戦にも因縁がある。メキシコ代表のMFだったアギーレ監督が、ベルギー代表DFで現在は南アフリカを率いるブロース監督と同じピッチに立っていたのだ。 
  
 アギーレ監督は代表を率いて3度目となるこの大会後、W杯5大会連続出場というメキシコのレジェンドで代表コーチを務めるラファエル・マルケスにバトンタッチする予定。一方、74歳になったブロース監督も、この大会を終えたら家族との生活を優先させるために退くという。

 メキシコはこれまでの最高であるベスト8の壁を破ることが期待されている。南アフリカは、まずはグループステージ突破が目標。40年の時を経て再び相まみえる両者のどちらが、有終の美へ第一歩を踏み出すのだろうか。

取材・文●石川 聡
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