年収500万円の営業職です。友人から「IT業界なら未経験でもチャンスがある」と言われましたが、30代から転職して年収を維持できるのでしょうか?
30代未経験でもIT業界への転職は十分可能
IT業界は慢性的な人材不足が続いています。経済産業省の「IT人材需給に関する調査」では、将来的にIT人材の需給ギャップが拡大し、2030年には最大で約79万人不足する可能性があると試算されています。そのため、多くの企業が人材確保を重要な課題としており、未経験者向けの採用や育成に力を入れる企業もあります。
とはいえ、30代であれば誰でも採用されるわけではありません。20代の場合は将来性やポテンシャルを重視されることが多い一方で、30代になるとこれまでの経験や実績も評価対象になります。
営業職として働いてきた人には大きな強みがあります。営業では顧客との信頼関係を築き、課題を聞き出し、解決策を提案する力が求められます。こうしたコミュニケーション力や提案力は、IT業界でも評価されることがあります。
特に法人向けのITサービスやSaaS(クラウドサービス)を提供する企業では、営業経験者を採用するケースもあります。そのため、「未経験だから不利」と考えるのではなく、「営業経験をどう生かせるか」を考えることが重要です。
年収500万円を維持できるかは職種によって変わる
転職を考えるうえで最も気になるのが年収でしょう。結論からいうと、年収500万円を維持できる可能性はあります。ただし、どの職種を選ぶかによって状況は大きく異なります。
例えば、完全未経験からエンジニアを目指す場合です。企業によっては研修制度を設けて未経験者を採用していますが、転職直後は現在より年収が下がるケースもあります。特に開発経験やIT知識がほとんどない場合は、育成前提での採用になるためです。
一方で、営業経験を生かせるIT営業や法人向けソリューション営業、カスタマーサクセスなどの職種であれば、年収500万円前後を維持しながら転職できる可能性があります。
カスタマーサクセスとは、顧客がサービスを効果的に利用できるよう支援する職種です。SaaS企業を中心に導入が進んでおり、営業経験で培った顧客対応力や提案力を生かしやすい職種の一つとされています。
また、SaaSと呼ばれるクラウドサービスを提供する企業では、成果に応じてインセンティブが支給される場合もあります。そのため、「IT業界へ行くこと」だけに注目するのではなく、「どの職種で転職するか」を重視することが大切です。
IT業界への転職前に準備しておきたいこと
転職成功の可能性を高めるためには事前準備が欠かせません。まずはIT業界の基礎知識を身につけましょう。近年はAI、クラウド、サイバーセキュリティなどの分野が注目されています。専門家レベルの知識は必要ありませんが、基本的な用語や業界の動向は理解しておきたいところです。
また、資格取得も有効です。例えばITパスポートは、ITに関する基礎知識を学べる国家試験です。資格を取得したからといって必ず転職できるわけではありませんが、学習意欲を示す材料になります。
さらに、転職エージェントを活用することもおすすめです。自分では気付いていない強みを発見できることがありますし、年収相場や求人動向についても情報を得られます。
特に在職中に転職活動を進めれば、焦って条件の悪い企業へ転職するリスクを減らせます。退職してから活動するよりも、現在の収入を維持しながら情報収集を進めるほうが安心です。
営業経験を生かせれば年収維持の可能性は高い
30代で年収500万円の営業職がIT業界へ転職する場合、年収維持は十分に現実的な目標です。ただし、未経験エンジニアとして一からスタートする場合は、一時的に年収が下がる可能性があります。
一方で、営業経験を生かせる職種を選べば、年収を維持できるだけでなく、将来的な収入アップを目指せるケースもあります。重要なのは、「IT業界だから年収が上がる」と考えるのではなく、自分の経験や強みが評価される職種を選ぶことです。
営業として培った提案力やコミュニケーション能力は、多くのIT企業で求められるスキルです。まずは求人情報を調べ、自分の経験が生かせる分野を探してみましょう。
しっかり準備を進めたうえで転職活動を行えば、年収を維持しながら新しいキャリアへ挑戦できる可能性は十分あります。将来の選択肢を広げるためにも、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
出典
経済産業省 IT人材受給に関する調査(概要)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
