【パンチくん受難】サル山に闖入して逮捕された2人の外国人に世界中から非難殺到「怪事件のその後」
白昼、衆人環視の中で
爽やかに晴れ渡った日曜のお昼。千葉県・市川市動植物園のサル山には人気の子ザル・パンチくんを一目見ようと多くの人が訪れていた。子連れの家族のほか、外国人観光客もたくさん駆けつけていた。
すると突然、青い着ぐるみに絵文字風のキャラクターのかぶり物をした人物が柵を越え、数m下のサル山の敷地内に飛び降りた。
「えっ、マジか!?」「マイガッ!」
観客から悲鳴が上がる。
着地の際に転がった衝撃でかぶり物が取れて顔が露わになり、外国人男性と判明。だが、男はかぶり物を再び装着。先に投げ入れていたぬいぐるみを手にサル山に迫った。サルたちは闖入(ちんにゅう)者に驚き、パニック状態。右往左往しながらサル山のてっぺんに逃げた。
サルたちに逃げられて、なすすべもなくうろつく男性はぬいぐるみを敷地の片隅に置いた。パンチくんに渡すために侵入したのだろうか。すると、飼育員がやってきて、男は抵抗する様子もなく連行された。わずか2分足らずの出来事だった──。
千葉県警市川署は5月18日、威力業務妨害の容疑で自称大学生のリード・ジュナイ・デイソン容疑者(24)と自称歌手・ニール・ジャバリ・デュアン容疑者(27)の2人を緊急逮捕したと発表した。
「自称米国籍の2人は17日午前10時50分ごろ、市川市動植物園の柵を乗り越えてサル山に侵入して、同園のイベントを中止させるなどした業務妨害の疑いです。11時ごろに同園から『外国人の男が園内のサル山に飛び込んだ』と110番通報があり、警察が現場に急行しました。デイソン容疑者が着ぐるみ姿でサル山に侵入し、その様子をデュアン容疑者が撮影していたようです。
2人は取り調べに対して『答えたくないし、逮捕にも納得していない』(デイソン容疑者)、『柵の中に入っていない』(デュアン容疑者)などと容疑を否認しているそうです」(全国紙社会部記者)
規制に頭を悩ませる園側
園は今回の事件を受けて、サル山に設けていた観覧規制ゾーンを1m拡大。侵入防止のためのネットも設置された。
「動物園は皆さんに楽しんでいただく施設であり、そのためには動物たちが健康であること、飼育員もきちんと業務を行うことが求められます。今回の動物の健康と飼育員たちの安全を脅かす行為に非常に困惑しています。二度とこのようなことが起きないよう、いろいろな対策を考えていきます」(市川市動植物園課・安永崇課長)
今年2月、母親代わりのオランウータンのぬいぐるみ(通称・オランママ)を持ち歩くパンチ君の姿を園がSNSに投稿したところ、バズって大人気となった。3月には前年の4倍近い9万人、4月も3倍の6万5000人が来園したという。
徐々に群れに馴染み、パンチくんがオランママを連れて歩くことはほとんどなくなったが、5月に入っても大勢の人々がサル山を訪れていた。パンチくんは海外でも人気で、外国人観光客も多い。“オーバーツーリズム”の問題も起きていたという。
「マナーを守れない人が一部いるようです。サル山を最前列で見る場合は“10分以内にする””後ろの人も見えるようにかがむ”ことをお願いしていますが、守らない人がいてトラブルになることもあった。大勢で大声を出して、サルを驚かせたグループもいたようです。
二ホンザルは大きな音を出されること、人に長時間見られることにストレスを感じるといいます。群れのなかの一頭がストレスを感じることで、群れ全体にストレスが広がるケースもあるそうです。規制ゾーンを設けたり、SNSで募集したマナー標語をプラカードにして呼びかけるなど、園はさまざまな対策をしてきましたが、サル山に侵入する者が出るとは想定外だったでしょうね」(パンチくんを取材したことのあるライター)
デイソン容疑者が扮していたのは、「ミームコイン」という仮想通貨の宣伝に使われているキャラクターのようだ。彼のInstagramには渋谷のスクランブル交差点でこのキャラクターに扮した本人らしき人物がポーズをとっている写真が事件前日に投稿されていた。
この写真はこのミームコインの公式Xアカウントにも投稿されていることから、デイソン容疑者は関係者だとみられている。すでに削除されているが、AIで作成したと思(おぼ)しき“キャラクターがサルにぬいぐるみを渡している画像”も投稿されていた。
デイソン容疑者らの蛮行は海外でも報じられ、世界中から非難を浴びている。「悪ふざけ」の代償を客が払わされたのだから当然だろう。
