ジュウリョクピエロでオークスを制しガッツポーズを決める今村聖奈

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 「オークス・G1」(24日、東京)

 府中のターフが“聖奈スマイル”で染まった。女性騎手初のクラシック騎乗で注目を集めていた今村聖奈騎手(22)=栗東・寺島=が、5番人気のジュウリョクピエロを勝利に導き、JRA所属の日本女性騎手として初のG1制覇を達成した。デビューから5年目、3度目のG1騎乗だった。女性騎手のJRA・G1勝利は、25年フェブラリーSのレイチェル・キング(英国)以来3人目(障害含む)。競馬界に新たな歴史の1ページが刻まれた。

 東京競馬場の長い直線。馬群を縫うように伸びてきたのは、5番人気のジュウリョクピエロと今村聖奈だった。4万人超の大観衆の声援に後押しされ、先に抜け出したドリームコアを首差かわしたところが、フィニッシュライン。馬上で腕を突き上げ、喜びを爆発させる。女性騎手として初めてクラシックに騎乗し、JRA所属の女性騎手による初のG1制覇。「夢を見ているみたいです」。興奮を抑えるように静かに喜びをかみしめた。

 道中は後方からレースを進め、脚をためた。最後の直線に入ると、メンバー最速タイの上がり3F33秒1の末脚を発揮。「直線の400メートルは長いです。手応えが良かったので、どこへ行こうか迷った時に、狭い馬群の中に馬が導いてくれました。私はつかまっていただけです」。愛馬のおかげだと強調するが、それを引き出したのは聖奈だ。

 これまで多くの時間をジュウリョクピエロと過ごし、気持ちを共有。どのような騎乗がベストなのかを模索してきた。それが結果として表れ、「彼女は私が乗っていて、『ついてこい』とリードしてくれる“男気”のある馬です。素晴らしい馬です」とほほ笑んだ。

 デビュー1年目の22年はCBC賞(テイエムスパーダ)で重賞初騎乗初制覇を成し遂げるなど、JRA通算51勝を記録。女性騎手によるJRA年間最多勝利記録を達成した。一躍注目の存在となったが、翌年が25勝、24年には落馬による右肩の負傷もあり6勝、25年が22勝と思うような成績を挙げられずにいた。「2年目以降はうまくいかず、ケガもしました。注目されていい思いもしたけど、しんどかったこともありました。そのなかでコツコツと頑張ることが大事と思っていたところで、このような大きい勝利をつかむことができました。1年前の自分(から)は、まさかこんなことになるとは思わなかったです」と遠くを見つめる。プレッシャーに押しつぶされそうになった時もあった。だが、それを乗り越えたからこそ今がある。その経験が大舞台でも動じない精神面を育てたに違いない。

 レース前、「彼女に見合った騎手でありたいです」と話していた聖奈。自分の未熟さは十分に分かっている。それでもパートナーのことを第一に、人馬一体を目指してきた。今村聖奈は間違いなく、ジュウリョクピエロに見合った騎手になった。

 ◇今村聖奈(いまむら・せいな) 2003年11月28日生まれ、滋賀県出身、22歳。22年3月5日に栗東・寺島厩舎所属として阪神でデビュー。同13日の阪神8Rをブラビオで勝ちJRA初勝利。同年7月のCBC賞(小倉)をテイエムスパーダで制して重賞初騎乗初勝利をマーク。同年には女性騎手としてJRA年間最多勝となる51勝を挙げた。25年10月にJRA通算100勝を達成した。父は元騎手の今村康成助手(栗東・飯田)。身長158・5センチ。血液型はB。