「疲れたから夕方に甘いものを食べる」はNG。疲労回復に効果のある食べ方のルール3つ
疲れが増える原因と、疲労を回復するための食べ方のコツについて紹介します。教えてくれたのは、東京女子医科大学の市原淳弘先生。市原先生によると、疲労回復にもっとも効果的なのは「栄養バランスのよい食事をとること」なのだそう。疲れのタイプ別の食べ方のルールや、甘いもののNGな食べ方についても伺いました。
※ この記事は『心と体の累積疲労にさよなら! 疲れとり大図鑑』(世界文化社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。

「いつも疲れる」は炎症のサイン

「なんだかいつも疲れる…」その疲労感、じつは体内で起きている“炎症”のサイン。ストレスや寝不足、偏った食事が重なると、細胞内で“小さな火事”が発生します。その火種は、ミトコンドリアから生まれる「活性酸素」です。
私たちは1日約360L(リットル)の酸素を吸っていますが、そのうち約2%(500mLのペットボトル14本分にあたる7L)が活性酸素に変わり、細胞を傷つけて炎症を起こすのです。これが「なんとなく疲れる」の正体!
「疲れたら寝る」は正解。でもそれだけではたりません。傷ついた細胞を修復し、体を立て直すには“材料”である栄養が不可欠。食事こそが、疲労回復の決定打なのです。
●疲れない体が食事から始まるワケ
疲れの元・活性酸素は1日7Lも発生。睡眠や運動だけでは除去できません。唯一、栄養を摂ることが細胞修復と予防を兼ねています。
だから食事こそが疲労の根本治療なのです。
その疲れ、「疲労バーガー」のせいかも?

疲労の原因をわかりやすくハンバーガーにたとえた「疲労バーガー」。
上から順に、心理的ストレス、炎症、酸化ストレス、代謝低下や栄養不足、睡眠不足という具材(要因)が積み重なって最終的な「疲れ」をつくり出します。具材(要因)が増えるほど、疲労感も増えます。
●上のバンズ(パン):ストレス
日々のストレスや精神的な負担が、バーガーを上から押さえる厚いバンズとなり、疲れをがっちり閉じ込める役割。ただ、限界を超えると、厚みのボリュームが減ってストレスからの防御力が減ってしまいます。
●チーズ:酸化ストレス
酸化ストレス。とろけたチーズが周囲に広がってベタつくように、活性酸素によるダメージが体中に波及して疲労を悪化させます。
●パティ(肉):炎症
肉厚のパティの肉汁のごとく体内にじわりと広がる炎症は、疲労感をどっしりと重くさせます。その重みはほかの具材のボリュームを減らすことに。
●トマト:栄養不足
しおれて張りのないトマトは栄養が不足している状態。栄養がたりないと回復力が失われ、疲れがとれない状態が続きます。
●レタス:代謝低下
シャキッと感を失ったしなびたレタスは代謝低下のサイン。体がエネルギーをつくり出せず、疲労が慢性化する原因に。
●下のバンズ(パン):睡眠不足
土台である下のバンズが不安定になればバーガーが崩れるように、睡眠不足は疲労回復を妨げ、翌日まで疲れを引きずることに。
疲労を回復する「食べ方のルール」3つ

じつは、食生活を少し変えるだけで、疲れがぐんと減ることがあります。ある研究では、食事を見直すだけで疲労感が44%減少したという報告も。そこで、脳・体・心、それぞれに効く“3つの食べ方ルール”をチェックしましょう。
●1:脳が疲れたら“ベジ・ファースト”
白ご飯から先に食べていませんか? 血糖値が急上昇・急降下し、脳が“燃料ぎれ”に。
野菜、タンパク質、炭水化物の順に食べると糖の吸収がゆるやかになり、集中力の低下が防げます。ブロッコリーから食べるだけで、白米の糖吸収が最大40%抑えられます。
●2:体がだるい日は“30分ルール”
運動後30分以内に糖質+タンパク質を補うと、筋肉の回復がスムーズに。バナナ2本+ギリシャヨーグルトで筋合成は3倍になるという報告もあります。
●3:心がしんどいときは、“腸をいたわる”
腸と脳はつながっています。発酵食品と食物繊維をとると腸内環境が整い、ストレスが
32%減少したという研究も。さらに、サバやサーモンに多く含まれるオメガ3脂肪酸は脳の炎症を抑え、気持ちも軽くしてくれます。
「甘いもの」を食べるときに押さえたいポイント
疲れると甘いものが欲しくなりますよね。でも疲労回復には逆効果です。じつは、摂り方には5つのポイントがあります。
●1:加工糖は控える
脳は1日120gのブドウ糖が必要。でも、果糖25g(飴玉6個分)でもブドウ糖に変わり脳のエネルギーに十分なります。ケーキなどの加工糖は脳疲労には逆効果です。
●2:16時以降の加工糖は×
夕方の糖分はメラトニンの分泌を10〜20%妨げ入眠も5〜10分遅れて結果、睡眠の質も下がります。
●3:起き抜けの朝ジュースは危険
空腹時に果糖を摂ると血糖が急上昇し、「ジェットコースター血糖」になるため、疲労が加速します。
●4:飲料の糖に注意
液体糖は固体の砂糖の3倍の速さで吸収。オレンジジュースなどは角砂糖7個分の糖量になるので注意。
●5:「甘いものは別腹」は脳に負担!
食後すぐの甘味は認知機能を20%低下。最低でも1時間あけてからが正解。
