宮下今日子(50)ランジェリーモデルのオファー受け「そんなにいいもんじゃないけど、大丈夫かな(笑)」
ドラマや舞台で活躍する俳優の宮下今日子さん。50歳で初めてランジェリーのモデルを務め、「あえて盛らず、リアルな感じにしたかった」といいます。年齢を重ねるごとに「人からどう見られるか」が気にならなくなり、気持ちが楽になっていったそう。50歳現在の心境について伺いました。
【写真】「お肉の柔らかそうな感じがリアルに」モデルを務めた宮下今日子さん(5枚目/全10枚)
50歳でランジェリーモデルに「大丈夫かな」
── 50歳でランジェリーのモデルを務めました。下着のモデルをするのは初めてのことだったそうですが、抵抗はありませんでしたか。
宮下さん:モデルさんなど綺麗な方がたくさんいらっしゃるのに、50歳になった私にオファーしてくださったことがすごく嬉しくて。でも、「そんなにいいもんじゃないけど大丈夫かな」って(笑)。元々好きなブランドで普段から愛用していたということもあってお受けしました。
ブランドの方も撮影チームも、私の下着姿を見たことがないなかでの撮影だったので、撮影当日も「これで大丈夫ですか!?ダメだったら言ってくださいね」という感じでスタートしました。
── ものすごくお綺麗でした。
宮下さん:写真では写っていないところに妊娠線もあれば、息子を帝王切開で産んだときの傷跡もガッツリあります。ちょっと肉感があるほうがいいかなと思い、撮影前も絞ることはせず、しっかり食べて挑みました。
それこそ若い頃は、緩んでいる身体を見せるなんて許せませんでした。20~30代だったら、お受けしていないと思いますし、撮影したとしても「ここ修正してください」なんて言っていたかも。でも今は「もうそのままで」という心境です。お肉の柔らかそうな感じとか、リアルなほうがいいよねと相談しながら撮影しました。もう盛るとかじゃなくて、できるだけナチュラルにしたいなと思っていました。
産後はカップ付きキャミで過ごしていたけど
── 胸を盛るのが主流だった時代もありますが、2000年代からカップ付キャミが流行っていて、時代はナチュラルに移行していますね。
宮下さん:私が20代の頃の下着は、寄せて上げるブラが流行って、ものすごい厚みのあるパッドが入っていました。30代で出産して、授乳期はカップ付きキャミみたいなもので過ごして。その頃は子どもを生かすことに必死で、下着どころじゃないですよね。でもあるとき、これじゃテンション上がらないなって思って、レースの下着を身につけたら、気持ちがグッと上がりました。それに、カップ付きキャミって上からかぶるのめんどくさくないですか(笑)。
自分の現実を知っているので盛っていると逆に寂しい気がするし、盛って人に見せる必要もないかなって。見えない部分で着心地がよく、美しいものを纏うことで自分の機嫌が上がります。人によって自分を大事にする方法はそれぞれですが、私は下着を整えると心が満たされますね。
── 盛らず、ナチュラルに。今日のメイクもすごくナチュラルな仕上がりですが、昔からそうだったのですか。
宮下さん:いえ、20代は今の10倍くらいメイクは濃かったです。今見てみると、アイラインもバッチリ引いていて、やりすぎだったなぁって。でも当時は「がっつりメイクしてないと外に出られない」とか思っていて、スッピンを人に見られるのも怖かったです。
でもそれはメイクだけじゃなくて、仕事の面でもそうでした。ちょっとでもよく、自分を大きく見せたくて、大してできもしないことを「できます、やります!」と意地を張っていたように思います。
── ドラマや舞台と、人に見られることが前提のお仕事で、体型などは気にされていましたか。
宮下さん:今でこそいろいろな体型の方に合うように衣装のサイズ展開も豊富ですが、昔はテレビ局にある衣装は「9号」がほとんどだったので、「9号を着られるサイズでいなきゃ」と自分を追い込んでいました。
── ダイエットをしていたこともあったとか。
宮下さん:でも、痩せたいと思っているときのほうが、太ってしまっていました。たぶん、痩せようとすると逆に食に執着してしまい、食べ物のことばかり考えてしまうからですかね。20代はいろんな矛盾の中で生きてきた気がします。外であんまりご飯を食べないで、その後、家に帰ってお菓子を食べちゃうとか。「いや、ご飯は食べてないぞ」って(笑)。きちんと食べて過ごしているときのほうがスッキリしていましたね。
20代は目指さなくていい場所を目指していた
── メイクや体型など、「こうあるべき」と思っていた境地から、いつ頃から解き放たれたんですか。
宮下さん:若いときは仕方がないのかもしれませんが、必要以上に「人からどう見られているか」を気にしていたんだと思います。30代、40代と年齢を重ねることに気持ちが楽になって、50歳になった今はあまり気にならなくなってきました。普段のメイクも薄くなってきましたし、痩せていると心配される年ごろなので、むしろあまり痩せないほうがいいかなと思っています。
20代は別に目指さなくてもいい場所を目指していたような気がして。綺麗でいなくちゃいけない、お芝居も上手くなきゃいけないなど、できもしないことを目指していたように思います。それに、「あの人の仕事が羨ましい」「あの顔が羨ましい」と人と比べることも多かった。今は、自分ができることとできないことを知って、ちょっと頑張ったらできることに目標を定めるくらいがちょうどいいと気づきました。
私の人生のピークはまだこれから(笑)
── 40~50歳は人生折り返し地点だと言われることも多いのですが、年齢についてはどうお考えですか。
宮下さん:50歳ってピークを過ぎて、もう下り坂みたいなイメージがあるじゃないですか。私は人生のピークはなるべく後ろ倒しがいいなって思っていて、まだピークは来ていないと思ってるんです(笑)。70代の先輩俳優さんが「まだ成長途中だ」という話をしているのを聞いて、そしたら50歳の私なんてまだまだですよね。
── その考え、素敵ですね。年齢を重ねると挑戦したくてもできなくなるという声も聞かれますが、挑戦し続けたいことはありますか。
宮下さん:やっぱり生涯、お芝居はしていたいなと思います。なんせまだピークを迎えていないので(笑)、これからの自分にワクワクしています。人生まだまだこれから。好きなことができるように健康でいなきゃと思っています。
取材・文:内橋明日香 撮影:矢島泰輔 ヘアメイク:Norikata Noda 写真:宮下今日子

