Image: NASA / JPL-Caltech

私の推し探査機、がんばってる。

誰もいない地球以外の星で、乾燥した不毛の大地をひたすら進むロボットにとって、日々の生活はかなりハード。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機キュリオシティは、過去13年間、岩を掘ってサンプルを集める日々を繰り返してきましたが、ついにある岩がやり返してきたそうですよ。

サンプル採取の最中に、キュリオシティのロボットアームに岩が引っかかって離れなくなっちゃったようなのです。NASAは、頑固な岩を振り払おうともがき、ようやく自由を取り戻すまでの過酷な格闘を記録した一連の画像を公開しました。

キュリオシティが立ち向かう過酷な任務

キュリオシティが火星に降り立ったのは、2012年8月5日。それから13年以上にわたって、かつて火星に生命が存在した可能性を示す手がかりを集めるために、赤い惑星の探索を続けています。

キュリオシティのロボットアームには、2.7kgのドリルが装備されていて、火星の岩石をせん孔してサンプルを採取・保管できるようになっています。

去る4月25日、キュリオシティは「アタカマ」の愛称を持つ岩石からサンプルを採取するためにせん孔作業を行なっていました。

NASAによると、この岩石は幅約40cm、厚さ15cm、重さ約13kgあるといいます。

キュリオシティがアームを引っ込めたときに、岩が地面から抜けて持ち上がり、回転するドリルビットを囲む固定スリーブにぶら下がる形になりました。

一連の画像は、キュリオシティの車体前部にある白黒の危険回避カメラ(Hazcam)と、マストやヘッド部分に搭載されたナビゲーションカメラ(Navcam)によって撮影されました。

そこには、岩がアームにくっついた瞬間のパニックぶりと、キュリオシティがそれを振りほどこうと試行錯誤する様子が映し出されています。

キュリオシティはあきらめない

NASAはこれまで、このようなトラブルに見舞われたことがなかったそうです。掘削によって火星の岩の表面が割れたり、はがれたりしたことはありましたが、岩全体がアームに引っかかって離れなくなったことは一度もなかったとのこと。

チームはまずドリルを振動させて岩を振り落とそうとしましたが、アタカマは微動だにせず。4月29日は、アームの向きを変えて再びドリルを振動させてみたものの、頑固なアタカマはくっついたまま。キュリオシティになついちゃったんじゃないですかね。

ついに再び自由を手に入れたキュリオシティ

火星の岩に拘束されてから6日後の5月1日、キュリオシティはやっと解放されることに。

チームはドリルをもっと傾け、振り回し、振動させ、最後には高速スピンさせました。アタカマが外れるまでこの操作を数回繰り返す覚悟でしたが、意外なことに最初のトライであっさりと外れてくれたそうです。残念ながら、アタカマは地面に落ちたショックで割れてしまいました。

上の動画には、岩がアームに引っかかってから、振り落として割れるまでの様子が映っています。

キュリオシティ対火星の岩の予期せぬ対決は、苦戦の末にキュリオシティが勝利をおさめました。めでたしめでたし。

キュリオシティって、どこかWALL-E(ウォーリー。ピクサーの映画『ウォーリー』に出てくるごみ収集ロボット)と重なるんですよね。キュリオシティ、風にも負けず、砂にも負けず、岩にも負けず、がんばって!

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