「止まれ、撃つぞ!」警察官が発砲…世田谷区の住宅街で繰り広げられた“大捕物”の一部始終

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軽トラックでパトカーに突っ込んだ

5月12日の朝8時30分ごろ、警視庁北沢署から送検のために姿を現した1人の若い男。まだあどけなささえ残る大人しそうな見た目とはうらはらに、鋭い目つきでじっとカメラを見ていたのが印象的だった。彼はなぜ、警察官に発砲させるような行動に出たのか──。

10日午後6時40分ごろ、東京都世田谷区若林の路上で警察官の制止を振り切って急発進などをしたとして、住所・職業不詳の小林悠斗容疑者(20)が公務執行妨害の現行犯で逮捕された。

「北沢署によると、10日午後6時20分ごろ、地域課の男性巡査長らが警視庁から不審車両として手配されていた軽トラックを発見し、5分ほどパトカーで追跡したそうです。軽トラックは住宅街の路地に逃げ込みましたが、対向側から来た車とすれ違うことができず、立ち往生して停車しました。ところが、警察官が近づいたところ、軽トラックが急にバックして、後方につけていたパトカーにぶつかってきたのです。

もう1人の警察官が制止するために荷台に飛び乗りましたが、軽トラックはさらに急発進して右折し電柱に激突します。この状況を荷台にいた警察官は危険だと判断し『止まれ、撃つぞ!』と警告。それでも急発進して逃走しようとしたために運転席付近に発砲しました。そして、小林容疑者と同乗していた17歳の少年を逮捕したそうです」(全国紙社会部記者)

弾丸は運転席の天井付近に当たったとみられるが、発砲によるけが人はいないという。小林容疑者は電柱にぶつかった際などに顔を打って軽いけがをしたそうで、取り調べに対してはあいまいな供述をしているようだ。また、17歳の少年はその後釈放されている。

小林容疑者の逮捕は、パトカーに車をぶつけて逃げようとした公務執行妨害にすぎない。事件は警察官が発砲をしたことでことさら大きく報じられたようにも思える。不審車両として手配されていたためにここまでの大捕物となり、ついには発砲する事態となったのだろうか。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏に聞いた。

「不審車両なのか普通の車なのかは関係ありません。警察官に向けての殺人未遂行為だと判断したから、警告したうえで発砲したのでしょう。そもそも、荷台に乗ってまで制止しなければいけないというケースが滅多にない事態です。そのうえで止まらずに急発進を繰り返していますから、警察官が身の危険を感じるのには十分な状況だといえます。

ただ、不審車両の通報があっただけならまだしも、警視庁が手配していたというのなら、何らかの容疑があったとか、それなりの理由はあるはずです」

軽トラックには2人以外の人物も乗っていたという報道も一部ある。小林容疑者はなぜ、そこまでして警察官から逃げようとしたのだろうか。捜査の進展が待たれる。