《佐藤愛子さん、102歳で逝去》娘の杉山響子さんは「母が機関車に見えた」 “断筆宣言”をくつがえして書き続けたエネルギー
作家・佐藤愛子さんが、4月29日、102歳で逝去していたことがわかった。
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佐藤さんは1923年11月5日、作家の佐藤紅緑さんと女優の三笠万里子さんの次女として大阪府に誕生。1969年の小説『戦いすんで日が暮れて』で直木賞、2000年の『血脈』で菊池寛賞など多数の賞を獲得し、2017年には旭日小綬章を受章した。
エッセイの名手としても知られ、『九十歳。何がめでたい』は2017年の年間ベストセラー総合第1位にランクイン。草笛光子主演で映画化もされた。
『九十歳。何がめでたい』の続編として2021年に刊行された『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』では、医師らに「書くのをやめたら死にます!」と断言されたエピソードを明かしつつも、「かくして私はここに筆を措きます」と断筆を宣言した。
しかし、"退屈"を理由にくつがえし、結局、100歳を超えても筆を執り続けた。娘である杉山響子さんは、今年1月に出版したエッセイ『憤怒の人 母・佐藤愛子のカケラ』で、「私はものを書く母が機関車に見えた」と表現している。
〈けれどさすがに九十をすぎるとコークスは減ってくる。食べる量も運動量も減って、明らかに母の生体エネルギーは潰えてきているのだ。なのに母は書く。断筆、断筆といいながら本を出す〉
一途に文筆業と向き合い、今年4月に文藝春秋から刊行された『ぼけていく私』は、佐藤さんが著者としてクレジットされた最後の1冊となった(娘の杉山響子さん、孫の杉山桃子さんと3代での共著)。同書の中で、佐藤さんは"死"への思いを明かしていた。
〈私はまだ考えたことがないけれど、眠っていくときの感じじゃないですか。(中略)でも、どんな死に方が来たってしょうがないですよ、来たと思うしか。今眠っていくぞと思って眠るって、あんまりないじゃない。そんなもんじゃないですか〉
佐藤さんの座右の銘は、社会実業家の澤田美喜による言葉「人生は美しいことだけ憶えていればいい」だった。102歳の生涯を力強く生き抜き、美しい記憶を胸に旅立ったのだろう。
