《“ロールス・ロイス蹴り男”公判》「映像では高級車のボンネットにピョンと飛び乗って…」被害者Aさんが怒りの証言、山元啓太被告は「覚えていない」と否認
黒のパーカーのフードを被り、深夜に駐車場を徘徊する男性──。防犯カメラの映像に映るのは、昨年"ロールス・ロイス蹴り男"としてニュースになった山元啓太被告(逮捕時・24)だ。
【現場写真】被告が持っていた特徴的な色のカバン、広範囲にわたりヒビが入っているフロントガラス
被告人は昨年1月18日未明、渋谷区千駄ヶ谷の駐車場で、停めてあった高級外車ロールス・ロイスのフロントガラスを蹴るなどして壊した疑いで、同年6月20日に逮捕された。警視庁原宿署はこの日、ロールス・ロイス以外の複数の車やバイクが同様の被害を受けていたことを確認。器物損壊の容疑で捜査を進め、起訴に至った。
しかし被告人は現在、否認を貫いているという。弁護側も、公判で被告人について「酔っていて覚えていない」と主張している。一方で、原告側にも主張はある。
NEWSポストセブン取材班は、事件当日、駐車場にバイクを停めていた被害者のAさんから話を聞くことができた。接見や公判における被告人の態度や、証言から新たにわかった事実などを詳報する。
キー局記者が解説する。
「防犯カメラ映像には、被告人と思われる男が高級車『ロールス・ロイス』のエンブレムを何度も蹴って折ろうとするが折れず、最終的にはボンネットに乗ってガラスを蹴る様子が映されていました。この車のフロントガラスについては100万円相当の損壊だそうです。
警視庁によれば男は当時、『覚えていない』と供述したようですが、駐車場では同じ日にベンツやジャガーなどの高級車やバイク計7台が傷つけられる事案があり、被告人が関与しているとみて捜査をしていた」
事件があったのは首都高速道路が運営する駐車場だ。JR千駄ヶ谷駅とJR代々木駅の間に位置する大型の駐車場で、昼間は車の出入りも多い。Aさんが事件発覚の経緯を話す。
警察官が「あなたのバイクも写真撮りました」
「1月18日の昼頃にバイクを停めて、翌日に取りにいったら倒れていた。ブレーキレバーやミラーが折れちゃっていました。バイクは進行方向に向かって、スタンドがない右側の方に倒れていて『なんで』って思いながら一旦駐車場を出ると、警察官がバタバタしていて。話を聞くと『器物損壊の事件があった。あなたのバイクも写真撮りました』というんです」
駐車場はJR代々木駅方面から千駄ヶ谷駅にかけ、A〜Cのブロックに分かれている。警察から聞いた話などを元にAさんが証言する。
「私のバイクはBブロックに停めてありましたが、被告人はAブロックから入り、車やバイクを損壊しながら千駄ヶ谷駅方面に抜けてそのまま立ち去ったという見立てだそうです。私がこの日、確認しただけでもベンツのゲレンデに、ロールス・ロイスなど少なくとも7台が被害に遭っていた」
Aさんは事件後、男と接見している。防犯カメラには被告人と思われる男が鮮明に映っていたものの、「覚えていない」と話すのみだったという。また被告人はAさんの親とも話したというが、同じく謝罪などはなかった。
Aさんによれば、昨年9月までに関連する3件の事件が送致。現在はAさんの事件を含めて少なくとも4件が併合され、器物損壊の罪で公判が進められている。
「ボンネットにピョンと飛び乗って…」
「家宅捜索もあり、被告人が当時着ていた服やカバンなどはすでに押収されています。特にカバンなんかは色が特徴的。カメラの映像も鮮明なのですが……。
あと裁判で新たにわかったのですが、被告人は事件後にカラーコーンを蹴って、四谷署に本人かどうか『人定質問』を受けていたそうです。駐車場を抜けて、そのまま信濃町の方に逃げる途中で、コーンを蹴ったのではないかと見られているようです。
検察側は今後、"警察御用達"の鑑定業者に、カメラの解析をかける見込みだと聞いています」(Aさん)
Aさんは男が"酩酊状態"だった旨の主張に、こう違和感を述べる。
「ロールス・ロイスやゲレンデのボンネットってけっこう高さがあるんですよ。カメラの映像を見るとそこにピョンと飛び乗って、バランスを崩さずに蹴っているみたいなんです。私が当時の映像を見た限りでも真っ直ぐ歩けているし、シャキシャキと歩いていた。
あとおかしいなと思うのが、高級そうな外車ばかりを狙っていることです。いい車だときちんと"判別"した上で、憂さ晴らし的にやったのではと思ってしまいます」
次回の公判については日程が未指定で、結審まではまだ時間がかかる見込みだという。山元被告はこのまま否認を貫くのだろうか──。
