やはり魅力的な柏の“リカ・サッカー”。ミラーゲームにも打ち勝ち連敗を止めた川崎戦をキッカケに“残り試合全勝へ”復調できるか
6連敗中と苦しむ柏にとっても予想外の出来事だったようだ。
0−1で競り負けた浦和戦から中3日、ホームに川崎を迎えたゲーム。昨季就任した長谷部茂利監督の下でも4バックを貫いてきた川崎が、ミラーゲームを挑むかのように3−4−2−1で臨んできたのだ。柏のリカルド・ロドリゲス監督も振り返る。
意外な川崎の出方に戸惑った面もあったのかもしれない。さらに連敗中の影響もあったのだろう。前半の柏はいつも通り、アグレッシブにボールを動かすサッカーを展開するも、パスミスも見られ、どこかリズムが上がり切らない印象だった。逆に川崎にセットプレーなどからチャンスを作られるシーンもあった。
それでも後半は柏の真骨頂を見せつける。
55分にはCF垣田裕暉に代え、細谷真大、シャドーの汰木康也に代え、 瀬川祐輔を投入し、瀬川が「真大と俺が入ったら矢印がでかなくなる」と語ったように、前線によりエネルギーを注入する。
さらに70分には3バック右の原田亘に代え、馬場晴也、ボランチの小西雄大に代え、原川力をピッチに送り出し、攻勢を強める。
「相手の足が止まっていた、ボールウォッチャーになっていた」と馬場が話したように、3−4−2−1に不慣れな川崎は、時間を経るごとに頭も身体も、疲労が溜まっていた。
もっともそれを差し引いても後半の柏のサッカーは機能性に優れ、美しかった。
相手の状況を見ながら、いわゆる5レーンにポジションを取った選手たちがボールを引き出し、周囲もその動きを見逃さない。さらに3バックの右を途中から務めた馬場が幅を取って、相手の守備陣形を間延びさせるなど、崩すための手法は多岐に渡った。
実際73分に相手ペナルティエリアの右、いわゆるポケットを取った馬場のクロスを、ファーで細谷が押し込んだ決勝弾の場面以外にも、ゴールを決まってもおかしくないシーンは数多くあった。
しかし、フィニッシュの質に課題を持っている点が、やはり百年構想リーグの低迷につながっているのだろう。
それでも悩めるストライカー、細谷に百年構想リーグでの2点目が生まれたことは、今後にとって希望になりそうだ。
百年構想リーグも残りは地域リーグラウンドの2試合とプレーオフラウンドの2試合だ。古巣の川崎戦でチャンスに絡み続けた瀬川も「僕は全勝だと思っています。チームとして現実的な目標として無敗でいきたいと立てましたが、今日のような勇気を持ってサッカーをできれば全勝できると思いますし、全勝することが来季につながると感じます」と決意表明する。
まだ課題は多い。それでもやはり柏のサッカーは美しい。相手に分析され、壁にもぶつかったが、ポジティブに考えれば、それは夏からの新シーズンへ良い糧になるかもしれない。何より、Jリーグが盛り上がる意味でも、そしてACLエリートに挑戦するチームとしても、今のサッカーで結果を残せることをぜひ証明してもらいたい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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