小久保監督も「度肝を抜かれた」、周東佑京が単独ホームスチール…満員の球場が静まり返る
ソフトバンク8−3ロッテ(パ・リーグ=10日)――ソフトバンクが逆転勝ち。
三回に周東の適時三塁打と本盗で追いつき、四回に栗原のソロで勝ち越した。前田悠が今季初勝利。ロッテは3カード連続の負け越し。
相手投手や三塁手を観察、確信持ちスタート
その瞬間、まるでキツネにつままれたように満員の球場が静まりかえった。ソフトバンクが誇るスピードスターの周東が、小久保監督でさえ「度肝を抜かれた」と振り返ったプロ初の単独ホームスチールで逆転の流れを呼び込んだ。
三回、自らの三塁打で1点差に詰め寄り、二死となった後だった。左腕の毛利が投球モーションに入る前に、三塁走者の周東が猛然と走り出す。毛利が慌ててホームへ投げたが、頭から飛び込んだ周東が左手でベースに触れ、捕手のミットからボールがこぼれた。
少年の頃は目立つのが嫌いで、運動会のリレーに出た記憶もないという。だが、育成選手として入団し、「短所を潰すよりも長所をぶち上げたほうがのし上がれる」と走塁を磨いた。身につけた一つが「(状況を)俯瞰(ふかん)して見る」と言う視野の広さ。この場面も、毛利が脚を高く上げていたことや、三塁手の位置を観察し、確信を持ってスタートを切った。母の日に2安打2打点2盗塁。約2年前に母を亡くした周東は「なんとかいい姿を見せられた」と目を潤ませた。(財津翔)
