「苦しみ」の感情描写は書き手が場面を十分に理解したうえで表現しないと伝わらない!【プロの小説家が教えるクリエイターのための語彙力図鑑】
「苦しみ」の感情描写は書き手が場面を十分に理解したうえで表現しないと伝わらない!
くるしみ [英:Suffering]

苦しみの意味
辛くてもがいている状態。
苦しみの類語
苦労 苦悩 不運 辛苦 難儀 腐心 悶々 苦渋 苦慮など
苦しみにおける体(フィジカル)の反応
息が詰まる
呻く
その場から逃げ出す
顔がゆがむ
下唇を噛む
じたばたする
身を縮こませる
身をよじる
顔が曇る
食欲がなくなる
立ち止まる
やつれる
眉根を寄せる
弱音を吐く
逃れようとあがく
額にしわが寄る
苦しみにおける心(メンタル)の反応
悩みが絶えない
気分が重い
切迫する感じ
戸惑う
やりきれない気持ち
陰鬱な気分
打ちのめされる
我慢する
現状から抜け出したい
気を病む
切羽詰まる
思いあぐねる
くよくよする
絶望感が襲う
うんざりする
なりふり構っていられない
自らを苦しめる修行で成長を目指す「苦行」も前向きな「苦しみ」のひとつ

生きている限り、避けて通れない「苦しみ」。どんなに裕福になろうと、強運の持ち主であろうと、必ず「苦しみ」に見舞われます。左ページに列挙された体と心の反応を一読し、うんざりされた方も多いでしょう。物語創作においても、主人公をはじめとする登場人物に「苦しみ」はつきものです。特に主人公はエンディングまで「苦しみ」と闘い、もがきながら目標に邁進する宿命にあります。
とはいえ、「苦しみ」を描く際、どういう「苦しみ」なのか、書き手は十分に理解したうえで表現しなければなりません。なぜなら「苦しみ」の意味は非常に幅広く、多岐にわたるからです。『食べ過ぎてお腹が苦しい』は、ともするとユーモラスな「苦しみ」です。『彼を思うと胸が苦しい』は、淡い恋の「苦しみ」です。『生みの苦しみ』は、クリエイティブで前向きな「苦しみ」です。逆を言うなら「苦しみ」の質を場面に応じ的確に表現できれば、臨場感に満ちた登場人物の体と心の在り方を伝え切れます。
出典:『プロの小説家が教えるクリエイターのための語彙力図鑑』秀島迅
