整備費26億円!小池百合子肝いりのお台場噴水ショー・東京アクアシンフォニーに「大腸菌汚染」の危機懸念

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東京・お台場の新たなランドマーク「東京アクアシンフォニー」が開業から1ヵ月を迎えた。東京都が約26億4000万円を投じて整備したこの噴水は、高さ150メートル、幅250メートルと世界最大級のスケールを誇る。小池百合子都知事肝煎りの事業だ。年間3000万人の来場を見込むが、深刻な懸念が浮上している。

前編記事東京都が26億円を投じたお台場噴水ショー「年間98億円の経済効果」の不透明さと非現実味』より続く。

水浴場基準の9倍を超える大腸菌を検出

東京アクアシンフォニーに、いま新たな疑念が浮上している。お台場海浜公園水域における大腸菌の問題だ。実はこの噴水は、東京湾の海水をポンプで直接汲み上げて、噴き上げるというのだ。

2021年、同海域では東京オリンピックのトライアスロン競技が実施されたが、その2年前のテスト大会では基準値を超える大腸菌が検出され、中止に追い込まれた経緯がある。本番こそ実施されたものの、一部選手が体調不良を訴え、大腸菌との因果関係が取り沙汰された。

この海域には、東京および近隣県の河川から流入する下水由来の汚濁物質が集まりやすく、加えて海上特有の強い風の影響も受ける。こうした環境下で、世界最大級の噴水に使用される海水に大腸菌が含まれている可能性については、以前から根強い懸念が示されてきた。

実際、東京都が公表した令和6年度の公共用水域水質測定結果によると、お台場海浜公園水域では最大で9200CFU/100mlという大腸菌数が確認されている。

三戸都議は次のように指摘する。

「環境省の水浴場水質判定基準では、ふん便性大腸菌群数が1000CFU/100mlを超える水質は水浴場として不適であると明記されています。また、厚生労働省の建築物衛生法においても、噴水などの雑用水は大腸菌が『検出されないこと』が義務付けられています。都は『海上噴水は建築物衛生法の対象外である』と主張していますが、だからといって公衆衛生上の疑念がある海水を飛散させてよい理由にはなりません。こうした姿勢は、都民の健康を軽視していると言わざるを得ません」

ワールドトライアスロンの基準では、大腸菌が1000CFU/100mlを超えた時点で即座に競技が中止される。その基準を遥かに上回る『9200CFU/100ml』という高濃度の大腸菌を含んだ海水を飛散させることが、はたして安全と言えるだろうか。

指摘を受け、突如計画を変更

仮に汚染された海水が噴水によって霧状になり、大気中に拡散されれば、健康への影響を危惧するのは当然だ。周辺には居住エリアだけでなく、鳥類が息づく自然環境や桜並木などの植生も広がっている。観覧客や屋形船の利用者への影響も含め、多方面にわたるリスクが懸念される。

こうした問題意識から、三戸都議は計画段階から繰り返し懸念を訴えてきた。その結果、事態は思わぬ展開を迎えたという。

「当初は、150メートルまで吹き上がる高射噴水と、30メートルほどの桜噴水のどちらも海水を使用する計画でした。当然、大腸菌が検出されている海水を撒き上げるのは問題だと追及していたところ、2025年2月26日の自民党会派による一般質問の場で、都は突如として方針を転換したのです。高射噴水には上水(水道水)を使い、桜噴水には海水を使う、と回答しました。

通常、こうした重要な計画変更には局長級の決裁文書が存在するはずですが、開示請求を行っても一向に出てきません。私たちが『汚染された海水を使用することは大腸菌被害や塩害に繋がる』と盛んに追及していたので、イメージダウンを恐れた小池知事が場当たり的に政治判断を下した可能性も否定できず、行政手続きの透明性に大きな疑問が残ります」

通常、公共事業における仕様変更には正式な決裁プロセスが伴う。しかし、それを裏付ける文書が確認できないという点は、行政手続きの透明性の観点からも看過できない。また、方針変更の経緯が不透明なまま進められたことで、一部職員の間でも不満が出始めているという。

実際、現地で家族連れに話を聞くと、「小さな子供がいるので少し心配です」「これから梅雨や夏場に向けて、大腸菌の状況はどうなるのでしょうか」「海水をろ過して使用するのなら安心なのですが」といった声が多く聞かれた。

なお、小池都知事が構想の参考にしたとされるアラブ首長国連邦・ドバイの噴水では、海水をそのまま使用するのではなく、ろ過して真水に変えたうえで噴出しているという。

また、記憶に新しい事例として、昨年の大阪・関西万博では、ウォータープラザの海水からレジオネラ菌が検出され、噴水が中止となったケースもある。

本来、噴水とはそれほどまでに安全性への配慮が求められる施設である。

都の港湾局に問い合わせると…

では、東京都はこの大腸菌問題をどのように認識しているのか。都の港湾局に文書で問い合わせたところ、「噴水の運用に当たっては、運営方針を定め、安全面に配慮しながら演出を実施している。陸域において海水がかかることはない。最大風速7m/秒を超えた場合は中止する」旨を回答した。具体的な大腸菌の問題については一切触れず、懸念される安全面についても『問題ない』という姿勢に終始している。

こうした状況を受け、三戸都議は改めて事業そのものに疑問を呈する。

「臨海地域の活性化を図るのであれば、特区の活用やスタートアップ支援など、より持続的な施策も考えられるはずです。巨額の整備費と毎年の維持費を投じるのであれば、福祉や子育て支援、お台場海浜公園水域汚染の要因となっている合流式下水道の越流水対策を進めるなど、優先すべき分野があるのではないでしょうか」

さらに、上田都議も次のように厳しく批判する。

「都のプロジェクションマッピングも無駄な事業ですが、機材を設置しているだけなので、中止しようと思えばいつでも撤収が可能です。しかし、巨大噴水は一度建設してしまえば簡単に撤去することはできず、毎年2億円もの維持費がかかり続けます。

今後、夏場に水不足となれば、上水を使用する高射噴水は都民の批判を浴び、稼働できなくなるでしょう。世界最大級の150メートルという高さが売りだったはずなのに、これでは何のために作ったのか全く理解できません。今回の噴水事業は、小池都政における数々の失策の中でも、とりわけ『愚策中の大愚策』と言わざるを得ません」

「アクアシンフォニー(水の交響楽)」とは、本来、音が美しく調和して響き合うことを意味する。しかし現状を見る限り、その名とは裏腹に、各所で深刻な不協和音が鳴り響いている

華やかな水の演出の裏で、都民の不満が噴き上がることにならなければよいのだが…。

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