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「息子が独身偽装で訴えられそうです」

30代の息子が既婚者であることを隠したまま、別の女性と関係を続けていたという相談が、SNSで波紋を広げています。

投稿によると、母親は「息子がそんなことをするなんて信じられない」とショックを受けたそうですが、のちに事実だとわかったといいます。

相手の女性は、息子に慰謝料の支払いを求めているといいますが、息子は返信をしていないそうです。

母親は「息子の会社にばれて、クビになったらかわいそう」「訴えられる前に払った方がよいのでは」など、対応に迷っている様子でした。

いわゆる「独身偽装」の問題は尽きません。独身偽装をしてしまった側は、どのように対応すべきなのでしょうか。光安理絵弁護士に聞きました。

●相手女性からの連絡「無視」は得策ではない

──既婚だと知らされないまま関係を続けていた場合、相手側にとっては「裏切られた」という強い感情や精神的苦痛が生じやすい問題でもあります。慰謝料請求を受けた側として、まず取るべき対応は何でしょうか。

まず、相手女性からの連絡を無視することは得策ではありません。連絡に対しては、なんらかの返信をすることが望ましいです。

というのも、連絡を無視されると、被害者側は「交渉に応じるつもりがないのではないか」「謝罪する気がないのではないか」と受け止めがちです。

そうした不信感から、家族や職場を通じて連絡を取ろうとしたり、職場に事情を伝えて社会的な圧力をかけようとするなど、行動がエスカレートするおそれがあります。結果として、トラブルがさらに大きくなってしまう可能性があります。

初動対応のポイントは、被害者側からの請求内容や請求文言によって異なりますので、一概に言えませんが、「検討させていただいて、追って具体的に回答させていただく」や、「真摯に対応させていただきたく、追って弁護士から連絡させていただく」など、きちんと対応することを伝えた上で、弁護士相談することが望ましいです。

ひとくちに独身偽装といっても、その経緯や期間、被害者の属性、未婚と偽った既婚者の属性によって、交渉の進め方のほか、仮に訴訟となった場合に裁判所が認定するであろう慰謝料額が異なってくるからです。

示談交渉はどうすればいい?

──できるだけ訴訟を避けて解決したい場合、どのような対応が考えられるでしょうか。示談交渉の進め方や注意点があれば教えてください。

被害者からの請求金額が明らかであれば、単発の法律相談などを利用して、その金額の妥当性を弁護士に判断してもらい、慰謝料の支払にすみやかに合意するのも一つの方法です。

その際は、必ず合意書を取り交わし、いわゆる清算条項(合意後は互いに追加の請求をしない旨)を設けておくことが重要です。あわせて、第三者に正当な理由なく事情を口外しないとする条項(口外禁止条項)を盛り込むこともあります

一方で、「誠意を見せてほしい」といった言葉だけで具体的な請求内容がはっきりしない場合や、現実的に支払えないほど高額な慰謝料を求められている場合、さらには職場や第三者への連絡を示唆するような言動がある場合には、早めに弁護士相談・依頼することを検討したほうがよいでしょう。

【取材協力弁護士
光安 理絵(みつやす・りえ)弁護士
大阪大学法学部、同大学院法学研究科修了後、パナソニック株式会社(旧松下電器産業株式会社)入社、本社法務本部配属。2003年司法試験合格、東京地方検察庁、横浜地方検察庁を経て仙台弁護士会に弁護士登録。2021年度仙台弁護士会副会長。現在、ソレイユ総合法律事務所代表弁護士を務め、離婚事件、交通事故事件、刑事事件等を多数扱っている。
事務所名:ソレイユ総合法律事務所
事務所URL:http://www.sendai-soleil.net/