高杉真宙、シェフ役で感じた難しさと手応え 木南晴夏との“2人芝居”は「新しい発見がある」
木南晴夏が主演を務め、高杉真宙が共演するドラマ『今夜、秘密のキッチンで』が、フジテレビ系木曜劇場枠で放送中。本作は、モラハラ夫との関係に苦しむ主人公・あゆみ(木南晴夏)が、ある秘密を抱えたイタリアンシェフ・Kei(高杉真宙)と出会い、料理を通して少しずつ自分を取り戻していく恋愛×料理のファンタジックラブストーリー。「少しずつKeiとしての動きがなじんできている感覚があります」と語る高杉に、役作りの裏側や料理シーンへの向き合い方について話を聞いた。
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■包丁さばきから立ち姿まで、“シェフ役”で感じた難しさ
――本作のテーマでもある“イタリアン薬膳”について、最初にオファーを受けた際の率直な印象を教えてください。
高杉真宙(以下、高杉):イタリアン薬膳という言葉自体初めて聞いたので、自分でも調べながら、「どういう考え方なんだろう」と興味が湧きました。最初に台本を読んだときは、「不思議な作品だな」というのが率直な印象です。物語としても、どういうふうに進んでいくんだろうと思っていたら、後半で明かされる要素もあって、どんどん先が気になる構成になっていて。料理をする役自体はこれまでも経験があるんですが、シェフという職業もガッツリ演じたことがなかったので、その点も含めて楽しみな要素ではありました。
――シェフ役に向けて準備もされたとのことですが、実際に撮影に入ってみて感じている難しさや手応えはいかがですか?
高杉:やっぱり分からないことは多いですね。本当にこれで合っているのかな、と不安になる瞬間もありますし、包丁の扱い方や立ち振る舞い一つひとつに気を配らなければいけないので、難しさは常に感じています。ただ、料理そのものに関しては、比較的シンプルに作れるものも多くて、そういう意味では助けられている部分もありますし、実際に手を動かしながら覚えていく楽しさもあります。シェフとしてキッチンに立つシーンはやっぱり緊張しますが、少しずつ自分の中でKeiとしての動きがなじんできている感覚もあって。今はすごくやりがいを感じながら撮影に臨んでいます。
――料理が軸となる作品ならではの現場の雰囲気もありそうですが、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
高杉:この作品は本当に料理がたくさん出てくるのですが、撮影が終わったあとにその料理を現場に並べてくださって、みんなで「おいしいね」と言いながら食べている時間がすごく印象に残っています。料理を扱う作品ならではの、すごく温かい空気だなと。ただ、僕自身は劇中であまり食べるシーンがなくて、木南さんが美味しそうに食べている姿を見ることが多いので、「いいなあ」と思って見ています(笑)。そういう意味でも、料理を通して人と人の距離が近づいていくような、この作品らしさが現場にも表れているなと感じています。
――実際に現場や練習で食べた料理の中で、印象に残っているものはありますか?
高杉:練習で作った「サルティンボッカ」はすごく印象に残っていますね。シンプルな料理なんですけど、すごく美味しくて、「こんなに簡単にできるんだ」と驚きました。現場でもいろいろな料理が出てくるのですが、味はもちろん、見た目もすごく綺麗で、料理そのものの魅力を改めて感じる機会が多いですね。
■「よく作るのは、野菜をたっぷり使った無水カレー」
――ご自宅でも練習されたとのことですが、実際に作ってみていかがでしたか?
高杉:イタリア料理でいう「ブロード」という出汁を自分でも作ってみたんですが、これがなかなか難しくて(笑)。撮影で使っているものはすごく澄んだ黄金色なんですけど、自分が作ると1回目は濃いお茶というか麦茶みたいな色になってしまって。2回目はトマトも入れてみたのですが、今度はちょっと赤みが強くなってしまって、なかなか理想の色にならないんですよね。味自体は悪くないんですが、見た目まで含めて“料理として成立させる”難しさを実感しましたし、プロの技術の高さを改めて感じました。
――今回の作品をきっかけに、料理を趣味として続けていきたいという思いはありますか?
高杉:趣味として続けるかと言われると……(笑)。生活の中で食べるために料理をすることはもともとやっているので、そこはこれからも変わらないと思いますが、いわゆる“趣味”として凝った料理にハマるかというと、今のところはまだ想像がつかないです。ただ、もしもっと余裕を持って楽しめるようになったら、少し手の込んだ料理にも挑戦してみたいという気持ちはありますし、そういう意味では今回の経験がきっかけになるかもしれないですね。
――普段よく作る料理や、得意料理があれば教えてください。
高杉:よく作るのは、野菜をたっぷり使った無水カレーです。カレーはシンプルで作りやすいですし。野菜を切って鍋に入れて、あとはルーを入れるだけでしっかり美味しくなるので、忙しいときでも作りやすいですし、自分の中では一番気軽に作れる料理です。
――料理が大きなテーマとなる本作ならではの面白さや難しさについて、改めて感じていることを教えてください。
高杉:やっぱり料理を扱う作品ならではの大変さはありますね。現場全体で「料理をいかに美しく見せるか」という意識がすごく高くて、フードコーディネーターの方も本当に細かい部分まで丁寧に作り込んでくださるので、その分、準備や撮影には時間も手間もかかりますが、そうした過程も含めて料理ドラマらしさなんだろうなと感じています。
――木南晴夏さんとのお芝居を通して感じていることを教えてください。
高杉:すごく頼れる存在だなと感じています。今回の作品はキッチンでのシーンが中心で、木南さんと2人でセリフを交わす場面が多いので、ほとんどが濃密な2人芝居なんですよね。その中で、「今のシーンどうでしたか?」といったやり取りをさせていただくことも多くて、気軽に相談できる環境を作ってくださっているのが本当にありがたいです。木南さんのお芝居はすごく自然で、分かりやすく感情を表に出すわけではないんですけど、その中にしっかりとした芯の強さがあって。静かだけど強いという印象があります。一緒にお芝居をしていてもすごく心地いいですし、毎回新しい発見があるので、純粋に楽しいなと思いながら向き合っています。
――最後に、春の放送ということで新生活を迎える視聴者に向けて、メッセージをお願いします。
高杉:個人的にはすごく勇気をもらえるドラマになっているのではないかなと感じています。木南さん演じるあゆみが、少しずつ本来の自分を取り戻していく姿は、何かに悩んでいたり、うまくいかないと感じている方にとって、「もう一度頑張ってみよう」と思えるきっかけになると思いますし、そういう意味でも多くの方に届いてほしいです。本作では料理も大きな要素になっていて、美味しそうな料理がたくさん登場するので、観ていると自然と「自分でも作ってみたい」「一緒に食べたい」と感じていただけると思います。実際に真似できるレシピも多いと思いますし、新生活で一人暮らしを始める方などは、体調管理の面でも“食べること”を大切にするきっかけになるのではないかなと思います。薬膳という考え方にも触れながら、自分の体や心をいたわる時間を持ってもらえたら嬉しいです。(文=佐藤アーシャマリア)
