蘭2部で武者修行中の盒供8斥佞涼次垢房信と充実ぶりを漲らせる。(C)Getty Images

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 1月から6月末まで、セレッソ大阪からアルメレ・シティに期限付き移籍している郄橋仁胡(20歳)が左サイドバックのポジションをしっかり掴んでいる。2月2日の対MVV(1−1)でオランダ2部リーグデビューを果たした郄橋は、同28日の対ヨング・ユトレヒト(○3−2)からレギュラーの座を射止め、7試合連続フル出場を継続中。この間、チームは5勝1分1敗と好調だ。現在5位のアルメレ・シティはプレーオフ経由でエールディビジ復帰を目ざしている。

「絶対にスタメンを獲れるクオリティーがあると、自分の中で信じてました。(試合出場の)チャンスが来たらかならず勝ち取ろうと思って、練習でも強くプレーして、そして思っていた通りにチャンスが来て、それを掴んでずっとスタメンでプレーしてます。でも、まだまだこれから。レギュラーシーズンがあと4試合。それから(1部昇格を懸けた)プレーオフが残ってますので」

 3月20日の対ヨング・アヤックス(○2―0)、4月3日の対TOPオス(○3―2)を見て感じたのが、郄橋の攻守に渡る多才さと20歳とは思えぬ安定感だ。左サイドでボールを持った時の落ち着き、正確なパスは秀逸で、中盤に上がって攻撃に厚みを付けるプレー、サイドアタック、ファイナルサードでのアイデアなどオン・ザ・ボールに加え、鋭い出足のインターセプト、アヤックスの若いウイング陣を封じ切った1対1の強さ、気持ちのこもったタックルなど、派手さはなくとも一つひとつ唸るようなプレーが続いた。
TOPオス戦の前半半ばにボールに絡めない時間帯が続くなど、当然、課題はあるものの、この2か月間で主力として9試合出場しているのも納得の内容だ。

「僕はボールを持って考えられる選手だと思います。守備は一番上手い…わけではないとは思いますけど(笑)、やっぱり絶対負けないという強い気持ちで行って、それでなんとかなってるっていうか。守備でもけっこうボールとか取っているので、いいチャレンジができてるかなとは思います。あと、いろんな国に行って異なる言語でもすぐに順応できることも、自分の良さかなと思います」

 昨季Jリーグに22試合プレーした郄橋は、ほとんどオフがないままオランダにやってきた。

「みんな英語を話すし、住みやすい国だと思います。僕もどっちかといえば日本語よりスペイン語、英語のほうが上手いので。みんな優しくて、初めから自分を受け入れてくれました。スペインを出て日本に行き、日本を出てオランダに来て、生活的にも新しい経験をしています。人間としても成長できることがいっぱいあると思います」

 関西地方のアクセントをほのかに感じさせながら、郄橋は話し続ける。
 
「お母さんが兵庫出身なんですよ。で、僕もちょっと関西弁を。セレッソでは驚いていた人もいました(笑)。でも、セレッソに入った時は日本語を話してましたが、あまり上手くはなかった。でも1年半、毎日話しているとやっぱり上手くなっていきます」

 英語も学校で学んだことに加えて、旅をしている時に人びとと会話をすることで磨かれていったのだという。
 
「見ての通り、オランダリーグはJリーグと全然違います」と郄橋は言う。

「こっちはもっとダイレクトで、前に、縦に行く感じです。日本はもうちょっとタクティック系(戦術系)で、ボールを回しながらサッカーをします。セレッソ大阪のアーサー・パパス監督からサイドバックが中に入る時のポジションニング、上手く走ることの意味とか、いろいろなことを学びました。パパス監督は『ミスをしても大丈夫だ。自信を持っていけ』ということも強く伝えてくれました」

 中盤に加わってオーバーロードを作り、パスワークで攻撃に繋げる郄橋のプレーにはラ・マシア育ちを感じさせるものだったが、セレッソ大阪でのパパス監督の教えもあったのだ。

「初めはバルセロナでやって、セレッソでもトレーニングして、試合でもその場面を出してました」

 デビュー早々、リーグの週間ベストイレブンにも選ばれた郄橋。契約上、アルメレ・シティでの残り時間は少ないが、若きサイドバックは多くの貴重な経験を積んでいる。

取材・文●中田 徹
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