会社員の平均給与「月34万円」の裏で広がる「月15万円格差」の残酷現実【47都道府県「平均給与」ランキング】

写真拡大

厚生労働省から令和7年の『賃金構造基本統計調査』の結果が発表され、最新の会社員の給与事情が明らかになりました。そこから見えてきたのは、賃上げの流れが加速する一方で、依然として地域や属性による格差が根強く残る実情でした。※本記事では労働者を「会社員」、所定内給与を「月収」と表現しています。

賃上げの流れが継続、会社員の平均月収は34万円超へ

厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』によると、会社員(平均年齢44.4歳)の平均給与は、月収(所定内給与額)で34万0,600円でした。前年の33万0,400円と比較すると、月収で1万0,200円(3.1%)の増加となっており、昨年に引き続き賃上げの効果が統計に表れています。ちなみに賞与なども含めた年収は545.5万円。昨年の平均527万円から20万円弱、増加しています。

男女別にみていくと、男性(平均年齢45.2歳)の平均月収は37万3,400円(前年比2.8%増)。対して女性(平均年齢43.2歳)は28万5,900円(前年比3.9%増)です。男女間の給与格差(男=100)は76.6となり、前年の75.8から改善しているものの、その差はいまだに大きいと言わざるを得ません。

男性の平均勤続年数が14.2年に対し、女性は10.4年。この差も男女の給与差における原因のひとつです。女性の場合、ライフイベントによりキャリアが中断することも多く、抜本的な就労構造を変えない限り、性差による給与格差はなかなか縮まらなさそうです。

学歴別の月収(男女計)をみていくと、高校卒は大学卒の75%程度の給与にとどまります。実力主義が浸透するなか、「学歴は関係ない」という風潮も広がりつつありますが、今なお給与格差は大きいというのが現実です。

●大学院卒:51万7,400円(前年比4.1%増)

●大学卒:39万6,300円(前年比2.7%増)

●高専・短大卒:32万1,200円(前年比4.6%増)

●専門学校卒:31万3,700円(前年比2.2%増)

●高校卒:29万7,200円(前年比2.9%増)

年齢別の給与推移(男性)をみていきましょう。20代前半で24.5万円だった月収は、年齢とともに上昇し、55〜59歳で1.8倍の44.5万円とピークに達する――これが多くの会社員の典型的なモデルです。

【年齢別「会社員の平均月収」の推移(男性)】

20〜24歳:24万5,000円

25〜29歳:28万8,000円

30〜34歳:33万0,000円

35〜39歳:36万6,000円

40〜44歳:39万8,000円

45〜49歳:42万0,000円

50〜54歳:43万7,000円

55〜59歳:44万5,000円

60〜64歳:35万8,000円

都道府県別「平均月収」ランキング…東京の独走と広がる格差

続いて、都道府県別の会社員の平均月収をみていきましょう。47都道府県のうち、全国平均(34万0,600円)を上回ったのは、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府のわずか4都府県のみでした。

トップの東京都は41万8,300円と、唯一の40万円台を記録。最下位の青森県(26万3,900円)との差は、月収ベースで15万4,400円にまで広がっています。昨年の1位と47位の差(約14万円強)からさらに格差が拡大しており、東京一極集中の傾向が給与面でも鮮明になっています。

【都道府県「会社員の平均月収」上位5・下位5】

1位「東京都」41万8,300円

2位「神奈川県」36万8,600円

3位「大阪府」34万8,900円

4位「愛知県」34万1,600円

5位「千葉県」33万9,100円

ーーーーーーーーーーーー

43位「秋田県」27万5,800円

44位「岩手県」27万5,000円

45位「山形県」27万2,200円

46位「宮崎県」26万8,300円

47位「青森県」26万3,900円

「実感なき賃上げ」の正体は企業規模・地域間の乖離か

今回の調査でも「賃上げ」の数字は出ているものの、その中身を詳しく見ると格差が浮き彫りになります。

企業規模別の月収(男女計)をみると、大企業は38万5,100円(前年比5.7%増)と大幅に伸びているのに対し、小企業は30万5,600円(前年比2.1%増)に留まっています。大企業の賃上げ率が全国平均を大きく押し上げている一方で、多くの中小企業や地方の労働者にとっては、物価上昇に追いつかない「実感なき賃上げ」が続いているのが実情といえそうです。

また業種別においても、「学術研究、専門・技術サービス業」(44万0,000円)は前年比9.6%増を記録する一方で、「不動産業、物品賃貸業」(36万0,000円)は3.1%減となるなど、すべての産業で賃上げが実現できているとは言い難い状況が明らかになっています。

さらに雇用形態による格差も依然として大きく、正社員・正職員の平均月収35万8,800円に対し、非正規社員・非正規職員は24万1,700円と、給与格差(正社員=100)は67.4となっています。

全国的なベースアップが叫ばれて久しいですが、一部の大都市圏や大企業主導の伸びが目立つ結果となりました。この賃上げの波が、地方や中小企業、そして非正規雇用の方々にまで真に波及していくのか、今後も注視が必要です。