原作者の逮捕で漫画作品が配信停止……業界は作画担当者を守れるか
小学館は2月28日、同社が提供する漫画アプリ「マンガワン」にて連載していた「常人仮面」について、「原作者の起用判断および確認体制に問題があった」として配信および単行本の出荷を停止したと発表した。
小学館によると、同作の原作者である一路一氏は、かつて同アプリで連載していた漫画家・山本章一氏の別名であり、山本氏は2020年に逮捕および略式起訴され罰金刑を受けていた。だが、マンガワン編集部は山本氏が起訴された事を知りつつも「常人仮面」の連載を継続、また山本氏の民事訴訟においては和解協議の際、同アプリの編集者が助言を行っていた事実などが明らかにされている。
一路一こと山本章一氏が逮捕に至った罪状などは明らかにされていないが、現在マンガワンでは配信を行っている漫画家が次々に引き揚げており、小学館では調査委員会の設置を発表している。
今回の騒動で、最も注目が集まったのは「常人仮面」の作画担当である鶴吉繪理氏のケアであった。既に連載が終了しているが、前述の通り配信と単行本の出荷が停止しており、ネットでは鶴吉氏の心的負担が心配されているのだ。
漫画作品にて原作と作画が分かれている場合、どちらかが不祥事を起こした場合、即出荷停止となることがある。
例えば、2018年から2020年に集英社の「週刊少年ジャンプ」に掲載された「アクタージュ act-age」(以下、「アクタージュ」)という作品は2020年8月に原作担当者が強制わいせつの疑いで逮捕されるという事件が発生した。ジャンプ編集部は連載を中止、単行本も無期限の出荷停止となるなど事実上の絶版状態となった。
なお作画を担当していた宇佐崎しろ氏に関してはその後も定期的にジャンプ誌に読み切りが掲載され、2024年からは「魔男のイチ」(原作:西修)という作品で再びジャンプ誌にて週刊連載を行っている。
このように原作者の不祥事で、作品が打ち切られても、編集者が復帰のための手助けを行う事があり、今回の鶴吉氏のケアに関してはネットでも「報われて欲しい」「誰か再出発の手助けをして欲しい」といった応援の声が相次いでいる。
