健康に大きく関わる血液中タンパク質「アルブミン」を知っていますか?【DON’T DIE 100歳まで健康に生きるアルブミンの法則】
健康状態のバロメーター「アルブミン値」とは何か
あなたは、「アルブミン」という言葉を聞いたこと、もしくは医師から「アルブミン値」について説明を受けたことがありますか?
何となく聞いたことがある方でも、実際、アルブミンが何なのかを理解している方はほとんどいないのが現状です。診察時に医師がその重要性を十分に説明していないことが一因かもしれません。
アルブミン(Albumin)とは私たちの血液中に存在する、体にとって最も重要なタンパク質の一種です。血液は、赤血球・白血球・血小板などの「血球」と呼ばれる細胞成分と、「血漿(けっしょう)」という液体成分の2つに大別されます。
血漿の90%以上は水ですが、タンパク質、糖質、脂質などの多様な物質も含まれています。その中でも最も多いのがタンパク質で、100種類以上存在し、これらを総称して「血漿タンパク質」と呼びます。
血漿タンパク質の中で最も多く、約60%を占めるのがアルブミンです。アルブミン値とは、血液中に含まれるアルブミンの濃度を示す数値を指します。この数値は健康状態を判断する重要な指標であり、健康診断や人間ドックの血液検査では必ず測定され、「Alb」という項目名で記載されることもあります。
アルブミンは肝臓の肝細胞で日々合成されています。成人の肝臓はアミノ酸を原料として毎日6~12gのアルブミンを産生し、血液中へ放出。私たちの体の中には体重1kgあたり4~5gのアルブミンが常時貯蔵されています。体重60kgの成人であれば、240~300gという相当量が体内に存在するという計算になります。
体内に存在するアルブミンは、総量の約40%が血管内に、残りの約60%が血管外の「組織間液」と呼ばれる、細胞と細胞のすき間を満たす体液中に分布しています。これらのアルブミンは絶えず交換され、バランスを保ちながら機能しています。私たちの体には、生命維持に必要な生理機能を正常に保とうとする「ホメオスタシス(恒常性)」という調節機構が備わっていますが、この機構によって、アルブミンの血中濃度は、通常4.4~5.0g/dLという狭い範囲に保たれているのです。
アルブミンは合成後、約14~18日間にわたって体内で重要な生理機能を果たします。この期間を「半減期」といい、血中濃度が初期値の半分に低下するまでにかかる時間を意味します。役割を終えたアルブミンは、主に筋肉や皮膚で異化(分解)され、体内から消失します。
アルブミンの主な6つの働き
【1】水分バランスの調整
血管内の水分量を調節。血漿膠質(けっしょうこうしつ)浸透圧(血管内に水分を保持する力)を維持します。組織への過剰な水分の漏出を防ぐことで、血管内の浸透圧を適切に保ちます。
【2】栄養素の運搬
脂肪酸・ホルモン・ビタミン・ミネラル(カルシウムや亜鉛など)と血液中で結合し、それらを運搬・保持して体内組織へ届けます。
【3】老廃物や薬物の排出
体内の老廃物や薬物と結合し、体外への排出を助けます。
【4】血液のpH(酸性度)調整
体液や血液のpHを一定に保ち、毒素や薬物と結合して体のバランスを保つ働き(緩衝作用)があります。
【5】抗酸化作用
特に血清アルブミンには抗酸化作用があり、体内で発生する活性酸素やフリーラジカルなどを無毒化して、細胞や組織を酸化ストレスから守ります。この働きによって、心臓や血管の病気、糖尿病、神経の病気など、酸化ストレスが関与する病気を防ぐ助けになると考えられています。また、アルブミンの抗酸化作用を生かした薬の研究も進められています。
【6】血中濃度・組織分布の制御
薬物などの様々な物質と結合し、血中濃度を安定させるとともに、体内での分布をより適切に調節します。その結果、薬効の持続性が高まり、副作用の軽減にもつながります。
これらの主な働きからも分かる通り、アルブミンは健康を維持するうえで欠かせない、複数の重要な役割を担っています。何らかの原因で血液中のアルブミンが減少し、アルブミン値が下がると、体の水分バランスが崩れ、全身のむくみや、お腹や胸に水がたまるといった症状が起こりやすくなるのです。
血液中に含まれるアルブミンの量
私たちの体の92%は水分や筋肉、脂質、ミネラルなどでできています。そして約8%は血液で、これは頭の重さとほぼ同じです。血液には赤血球・白血球・血小板のほか、全体の約55%を占める血漿が含まれています。血漿の約8%はタンパク質で構成され、そのうち約60%を占めるのがアルブミンです。アルブミンは585個のアミノ酸からなる、100種類以上ある血漿タンパク質の中で最も量の多いタンパク質です。
【出典】『DON’T DIE 100歳まで健康に生きるアルブミンの法則』著:栗原毅/栗原丈徳

