Image: Shutterstock

アニマルパニックの作品に慣れ親しんでいる人なら、密猟者がどれほど厄介な存在かご存じだと思います。

映画『ダークエイジ』(1987)も小説『シャトゥーン ヒグマの森』(2009)も映画『ビースト』(2022)も、密猟者がのちの惨劇の直接的なきっかけでした。

もちろん、密猟者が厄介なのはフィクションの世界にとどまりません。有罪にしにくいのです。

でもこれからは違います。DNAで密猟者を追い詰めることができるんです。

IFLSが伝えました。

DNAが決定打になった

ジンバブエで、ライオンの殺害および密売に関して、世界で初めて「単一個体のDNA鑑定」に基づく有罪判決が下されました。

容疑者から押収された爪や体の一部からDNAプロファイルを抽出。それを、罠によって違法に殺されたと記録されていた特定のオスライオンの遺伝データと照合したところ、一致が確認されました。

種の特定ではありません。“その個体”の特定です。

この科学的証拠が法廷で認められ、被告には24か月の実刑判決が言い渡されました。

なぜ、これまで有罪にしにくかったのか

意外かもしれませんが、野生動物の製品を所持していること自体は、状況によっては直ちに違法とはなりません。

問題は「それが違法に殺された個体のものかどうか」を証明することでした。

これまでは、押収された爪や牙が“どの個体に由来するのか”を科学的に断定するのが難しく、有罪立証のハードルが高かったのです。

今回突破されたのは、まさにこの壁でした。

DNA鑑定が、人間の犯罪捜査と同じように、野生動物犯罪でも決定的証拠になったのです。

ライオンは静かに減っている

ライオンは世界で最も密売される大型ネコ科動物のひとつです。爪、牙、皮は装飾品や宝飾品として国際的に取引されています。

2026年の研究では、アフリカライオンがターゲットになって殺され続けていることが指摘されました。対策が講じられなければ、地域的な個体群崩壊や絶滅のリスクも現実的だと警告されています。

テクノロジーは自然を守れるのだろうか

今回の判決は、単なる一件の成功ではありません。「密猟は立証が難しい犯罪」という前提を崩した点に意味があります。

怒りや倫理だけでは、密売は止まりません。必要なのは、法廷で通用する証拠です。

DNAは、密猟者の逃げ道をひとつ塞ぎました。これは野生動物を守りたい人たちにとって、大きな一歩なんです。

Source: IFLS, YouTube(1, 2)

【こちらもおすすめ】
GIZMODO テック秘伝の書
1,650円
Amazonで見る
PR