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インフラって本当にたいへんです。

ロンドンの通信企業「G.Network」の買収計画が、思いがけない理由で頓挫しました。買収を検討していたライバル企業「Community Fibre」が撤退を決めたのですが、その理由がなんと「ネズミが光ファイバーケーブルをかじった損傷の修理費用が高すぎる」から。

G.Networkは先月、3億ポンド(約580億円)の負債を抱えて管財人の管理下に入りました。その救済を検討していたCommunity FibreのCEO、グレアム・オクスビー氏は英テレグラフ紙に対し、「ネズミはダクトや光ファイバーが大好き、美味しいからね」とコメント。ネズミによる損傷修理のコストが、買収計画を断念させた理由の一つだと語りました。

しかも悪いことに、G.Networkは競合他社のように歩道の下ではなく、ロンドンの交通量の多い道路の真ん中にケーブルを敷設していました。つまり、修理には道路を掘り返す必要があり、コストと混乱が避けられない構造的な問題を抱えていたのです。

テクノロジーはネズミには勝てない

実はネズミによるケーブル損傷は、イギリスの通信業界では決して珍しくないようです。

2年前には、ロンドンの北にある「ハートフォードシャー州」にある町で、ドリルでなければ貫通できないはずの強固なダクトや外装、複数のケーブルをかじりまくる事件が発生。先月には「サウス・ヨークシャー州」の町でもネズミによる障害が報告され、地元選出のエド・ミリバンド議員(現エネルギー大臣)が、通信事業者のOpenreachに対策を求めています。

テクノロジーの進化は目覚ましいけれど、地下のインフラを守るのは相変わらず難題です。5Gも光ファイバーも、結局はネズミという「アナログな脅威」には勝てないのかもしれません。そう思うと、Starlinkみたいな衛星通信のありがたみをますます感じたりもするのです。

ちなみに、ネズミがケーブルや柱をかじるのは「美味しさ」ではなく、放っておくと歯が伸び続けてしまうからだそう。硬いものをかじって歯を削らないと食事ができなくなるので、ネズミにとっても死活問題。ネズミ的には健康のためとはいえ……人間からしたら大迷惑に違いない。

もう一つちなみに、今ではネズミ対策として「防鼠(ぼうそ)ケーブル」も作られています。唐辛子にある辛み成分「カプサイシン」を素にした成分を外皮に含ませて、噛むとヒーハー!という仕掛け。他にも、ケーブルに金属を被せて物理的に防ぐ方法もあるとのこと。

都市で静かに広がる高速ネットワークと、ネズミとの終わりなき攻防戦。あぁ、インフラって、本当にたいへんです。

Source: The Telegraph , アース製薬 , ニュースイッチ

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