JRT四国放送

写真拡大 (全58枚)

かつては閑散とした空き倉庫街だった徳島市の万代中央ふ頭。

しかし、近年はハイセンスな店舗が立ち並ぶ、若者に人気のスポットとなっています。

しかし、こうなるまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。

エリア再生の取り組みは実に20年、題して「BANDAI今昔物語」。

2025年も、あと1か月と少し。

11月24日、徳島市の万代中央ふ頭には、多くの人が集まっていました。

第二倉庫アクア・チッタで、3連休の最終日に開かれたイベント「からだフェス」です。

健康志向の高まりもあり、整体やエステなどのブースに多くの人が訪れていました。

(記者)
「癒されました?」

(客)
「癒されました」
「昔からアクアチッタってよくイベントしていて、注目して時々来ている」
「1週間に1回ぐらい来ている」
「最近マルシェなどあり、賑わっている」
「めっちゃお洒落ですよね、イオンも近いし良い、遊びやすい」

万代中央ふ頭にある20の倉庫のうち、現在は15棟が倉庫以外の用途、店舗や事務所のハコとして稼働しています。

(BANDAI CAFE・祖父江 和仁 支配人)
「水の都・徳島を代表するような場所、非常にお洒落、ここまで広く空間を楽しめる所は少ない」
「景色も良い、夜も感じが良い、お客さんに好評いただいている」

(タスウッド・鎌田耕志 社長)
「この建物、昭和35年のものだが当時のまま、店舗に改装するのに排煙窓をつけただけでこの雰囲気」
「すごく良いと、お客さんに褒めてもらえる」

2025年5月にオープンしたばかり、阿南市椿泊直送、こちらのシラス専門店では。

(飛べ、シラス。・竹内昌平さん)
「何もなかったので、一から自分たちのやりたいことができるというのがメリットだった」
「つくる喜びワクワクがありました、ほかのお店がイベントしている時とかにも、連携して集客できるのが魅力」

様々な店舗が並び、大いににぎわいを見せる万代エリアですが、今世紀初頭、2000年代前半には名前も知られていない無人の倉庫街でした。

このにぎわいを生み出すきっかけを作ったのが、NPO法人アクア・チッタです。

活動開始から2025年でちょうど20年です。

(NPO法人アクア・チッタ・岡部恭子 理事長)
「わたしが知った時には、まったく使ってなくて、無法地帯的な真っ暗な場所、夜なんか来るの怖い場所だった」
「人気のない寂しい場所だった」

万代中央ふ頭に港が整備されたのは、高度成長期の真っただ中、1960年のことでした。

徳島の海上交通の拠点として1970年には、年間43万トンあまりの貨物の取扱いがありましたが、大型船舶の受け入れができないなどの理由で徐々に衰退、1999年、ついに荷物の取り扱いは「ゼロ」になり、長年、無人の空き倉庫群だけが残されていました。

(NPO法人アクア・チッタ・岡部恭子 理事長)
「(倉庫)使ってないなら(店が)入っても良いじゃないかと、単純な気持ちからです」
「何で棄てているんだろうと言って、県庁にも近いし何でここどうにかしないんだろうと、本当に思った」

かつてのにぎわいを取り戻そうと岡部さんは、2005年にNPO法人アクア・チッタを設立。

最初は現地の清掃などから活動をスタートさせました。

というのも、倉庫を店舗などとして使うには、法律上の規制があったからです。

それでも岡部さんは、地道に県へ働き掛けました。

実証実験などを経て2013年、規制の緩和に成功、一気にまちづくりが加速しました。

(NPO法人アクア・チッタ・岡部恭子 理事長)
「ここまでよく来たという話はあるが、わたし欲張りなので、もうちょっと、もう少し発展してほしい」

さらなる賑わいを生み出すため、さまざまな工夫も。

岡部さんの長男で、アクア・チッタ事務局長の斗夢さんに案内してもらいました。

(NPO法人アクア・チッタ・岡部斗夢 事務局長)
「ここはシェアショップ・シェアオフィスのスペースで使っている第一倉庫」
「今、万代中央ふ頭って出店したいという声をたくさんもらっている」
「大型の倉庫は小事業者は困る、小さい空間ない?とよく言われていて」

大型倉庫の、店舗への改修に必要な費用は約1500万円。

この第一倉庫は、スペースごとに家賃が決められていて、小事業者でも入りやすい工夫がされています。

(NPO法人アクア・チッタ・岡部斗夢 事務局長)
「一番は集客が相互で補完し合える、自分たちを目的に来る客だけではなく」
「ほかの店舗を訪れた客が、自分のところも見てもらえるような流れがここにはある」

さらに今、エリア全体の環境美化を視野に、県の事業として岸壁沿いの一部を緑地化する計画が進んでいます。

先週から試験的に、約20メートル分の工事が始まりました。

(NPO法人アクア・チッタ・岡部斗夢 事務局長)
「将来的に、東西500mの万代中央ふ頭全域いけたら良いと思っている」
「水辺の街という評価をもらっている万代中央ふ頭、残念ながら駐車場で目線を潰してしまっている」

(NPO法人アクア・チッタ・岡部斗夢 事務局長)
「遊歩道化が進むと、より安心してみなさんに散策してもらえる街になる」

とはいえ、徳島では駐車場確保の問題は避けて通れません。

県は、万代町5丁目の県職員用駐車場を、県立の立体駐車場として整備する計画を立てていて、万代エリアを訪れる人のため、休日は一般開放も想定されています。

こちらは、2027年9月の完成を目指しています。

(NPO法人アクア・チッタ・岡部斗夢 事務局長)
「一層、使ってもらいやすくなる」

日々、新たな試みを積み重ねてきた20年。

街は目まぐるしく変化してきました。

(NPO法人アクア・チッタ・岡部恭子 理事長)
「ここの場所に来たいと思い来てくれた人は、わたしたちと同じ想いここが好きで来てくれている」
「その人たちと一緒にこの街を作れるのはすごい良い、みんなが良い街にしようと思っている」

(NPO法人アクア・チッタ・岡部恭子 理事長)
「若い人たちの力(が必要)わたしたちの言ってた次世代は中年超えているので、次のもう一代、若い方もぜひ来てくれたら」

「2、1、点灯(クリスマスツリー)」

人々が集う街に灯りは灯る。

新しい人を受け入れ、新たな試みを続けた先にこそ、地域の明るい未来があるのかもしれません。

20年前は「万代中央ふ頭」と言っても知らない人がほとんどで、まずは知ってもらうことから始めたそうです。

今では海外や全国から街づくりの視察に来ているそうで、この勢い、これからも注目ですね。