「役所が絶対教えない」支給停止申出書とは？仕組み解説

YouTubeチャンネル「独身の元気が出るテレビ」が公開した動画「【知らないと大損】住民税非課税世帯になれる裏技！年金事務所が教えない『支給停止申出書』を徹底解説します！【老後年金】」は、わずかな年金増額が年間の負担増につながるケースと、住民税非課税世帯に該当するための手続きについて、漫画やショートストーリーでわかりやすく解説している。

動画は、岡山県在住の絹枝さんの事例から始まる。「去年まで非課税だったのに、今年は納税通知書が届いた」という疑問に対し、解説者は「年金が1万円増えただけで、年間30万円の負担増になり得る」と述べ、非課税ラインをわずかに超える影響を示した。公的年金は物価変動に合わせて毎年見直されるため、年金額の増加により「非課税だった方が意図せず課税ラインを超えてしまうケースが続出している」と指摘している。

住民税非課税世帯の主なメリットは次の5点である。

1. 医療費の自己負担上限の差：例として岡山県赤磐市では、課税世帯が月57,600円、非課税世帯は月35,400円となる場合がある。
2. 介護保険料の軽減：例として年収149万円の人が非課税世帯になると、年間36,000円以上軽減される場合がある。
3. 国民健康保険料の軽減：世帯所得に応じて7割・5割・2割の軽減が適用される。
4. 各種給付金の対象：新型コロナ対策や物価高騰対策などでの支給例がある。
5. 自治体独自の支援：例として赤磐市のタクシー初乗り料金助成や配食サービス券、東京都のシルバーパス制度（年間1,000円で都営交通や民営バスが乗り放題）など。

住民税が非課税かどうかは、地域や家族構成で基準が異なる。収入から経費や各種控除を差し引いた金額が「所得」（課税判定の基礎となる額）となり、これに基づいて判定される。動画では、2025年の税制改正により給与所得者の「年収の壁」が変更され、給与収入110万円までなら所得が45万円以下となり、非課税の対象者が増える可能性があると説明している。

「役所が絶対教えない」として取り上げたのが、年金支給の一時停止制度である支給停止申出書（一定期間、年金の受給を一時停止する申請書）だ。老齢基礎年金が月額約6万円の人が1万円超で非課税ラインを上回る場合、1カ月だけ年金支給を停止することで、年間収入を非課税基準内に収められる可能性があると解説している。

注意点として、この制度は日本年金機構の公式サイトに掲載のある正式な仕組みで、いったん申し出ると遡って取り消すことはできない。また、一度停止した年金は自動再開されないため、再開には必ず撤回申請（支給停止を解除する手続き）の提出が必要であり、手続きを忘れると年金が止まったままになる可能性がある。

動画は、住民税非課税世帯に該当した際のメリットの大きさと、支給停止申出書を使った年収調整の可能性を強調しつつ、実行前に自身の状況を正確に把握すること、そして撤回申請を忘れないことの重要性を述べている。不明点があれば年金事務所に相談するなど、適切な行動を促している。