PCIeの帯域幅が不足するとグラボの性能にどれ程影響するのか?古いPCIe規格でも十分な性能を発揮できるのか?

PCIeの帯域幅が不足すると、ハイエンドGPUでゲームをプレイする際に影響が発生しますが、コンテンツ制作ではどの程度影響が発生するのか明らかになっていませんでした。カスタムコンピュータービジネスを展開するPuget Systemsの調査により、動画のレンダリングやゲーム開発のパフォーマンスが著しく低下する可能性があることが明らかになっています。
Impact of PCIe 5.0 Bandwidth on GPU Content Creation Performance | Puget Systems
Lack of PCIe bandwidth can nerf RTX 5090 by up to 25% in content creation workloads - Puget data confirms performance hit when using older generations and fewer lanes | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/motherboards/lack-of-pcie-bandwidth-can-nerf-rtx-5090-by-up-to-25-percent-in-content-creation-workloads-puget-data-confirms-performance-hit-when-using-older-generations-and-fewer-lanes
PCIeのバージョンはマザーボードの仕様によってほぼ決定されますが、マザーボードが最新のPCIe 5.0 x16をサポートしているからといって、すべてのスロットが同等の帯域幅を使えるわけではありません。例えばPCIeのスロットに2つのカードを接続すると、デフォルトで8xレーン構成となり帯域幅は半分になります。
さらにNVMe SSDを追加で取り付けると、利用可能なレーン数はさらに減り、帯域幅も減少。そうなると、さまざまなプロフェッショナルタスクのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。また、古いPCIe規格をサポートするマザーボードも同様で、レーン数が減り、帯域幅が小さくなってしまいます。
以下は、Puget Systemsが実施したPCIeのバージョンおよびレーン数と、動画編集ソフトウェアDaVinci Resolveのベンチマークパフォーマンスを比較したグラフです。PCIeのバージョンが新しく、レーン数が多いほどDaVinci Resolveのパフォーマンスは高くなります。

最高のパフォーマンスは、帯域幅が最も広いPCIe 5.0 x16で得られました。Puget Systemsによると、PCIe 5.0 x16、PCIe 5.0 x8、PCIe 4.0 x16の間の誤差は「わずか」だそうですが、PCIe 5.0 x4、PCIe 4.0 x8、PCIe 3.0 x16に切り替えると、パフォーマンスは10%も低下するそうです。
さらに、PCIe 4.0 x4やPCIe 3.0 x8になると、パフォーマンスはPCIe 5.0 x16から25%も低下してしまいます。テクノロジーメディアのTom's Hardwareは、「これはビジネスに深刻な影響を与える可能性のあるパフォーマンス低下であり、必要なスタッフや機器の稼働時間の増加によって利益が減少する可能性すらあります」と指摘しました。
一方で、同様のテストをAfter Effectsで実施したところ、PCIeの帯域幅が低下してもAfter Effectsのパフォーマンス低下は比較的小さく、最も低速なPCIe構成のみが誤差の範囲外となりました。Unreal Engine 5.5のバーチャルプロダクションテストでも、PCIe 4.0 x4とPCIe 3.0 x8では帯域幅が最も高いPCIe 5.0 x16よりもパフォーマンスが約7%低下。Blenderでは最も帯域幅の広いPCIe 5.0 x16と帯域幅の狭いPCIe 3.0 x4を比較すると、パフォーンマンスの差が5%もあったそうです。
ただし、Metaの大規模言語モデル(LLM)であるLlamaのベンチマークではPCIeの帯域幅の違いによる影響はほとんど見られませんでした。

利用可能なPCIeの帯域幅は、プロフェッショナルアプリケーション、特に動画編集においてパフォーマンスに顕著な影響を与える可能性があります。ただし、Puget Systemsが実施したテストはNVVIDIAのRTX 5090で行われた点を考慮する必要があると、Tom's Hardwareは指摘。
Tom's Hardwareは「RTX 5090は一部のプロフェッショナル向けオプションを除けば世界最速のGPUであり、どのカードよりも多くのPCIe帯域幅を必要とします。より控えめなGPUで構築されたシステムの場合、PCIe帯域幅の制約による影響はそれほど大きくない可能性があります」と指摘しています。
