全財産7350万円が一瞬で2億2100万円に…20歳の投資家がスポーツくじを的中させられた納得の理由

■1等が当たる可能性は1677万分の1
2024年9月、僕は「第1476回 MEGA BIG」で巨額当せんすることに成功しました。
「MEGA BIG」とは、指定されたサッカー12試合の合計得点数をコンピューターがランダムで選ぶ、予想いらずのスポーツくじ。くじは、1口300円から購入することができます。
「MEGA BIG」では、両チームの合計得点が「1点以下」「2点」「3点」「4点以上」のどれになるかを当てることになります。12試合全部当たれば1等、1試合外れると2等、2試合外れると3等……と、当てることのできた試合数に応じ当せん結果が変わります。ただ、自分で予想することはできないので、完全に運任せです。
通常の「MEGA BIG」の場合、1等が当たる確率は1677万7216分の1〔(1/4)の12乗〕。狙って当てることはかなり難しい確率です。この確率だったら、僕も賭けに出てはいません。
■全財産7350万円を突っ込むことにした
ただ、僕が高額当せんした第1476回は、通常の「MEGA BIG」とは状況が異なりました。
まず、台風の影響で4試合が中止に。「MEGA BIG」では「中止になった試合の結果は、自動で当たり扱いになる」というルールがあります。本来は12試合すべて当てる必要がありますが、このときは8試合当てればOK。4試合分が消えるので、通常に比べて256倍〔(1/4)の4乗〕当たりやすくなったといえます。計算すると、1等が当たる確率は6万5536分の1。
さらに、このときはキャリーオーバーが58億円以上にまで達していました。
キャリーオーバーとは、これまでの「MEGA BIG」で当せん者が出ず、繰り越されてきた配当金のこと。
58億円は、過去2番目に高い金額です。
試合中止により当せん確率が上がり、さらにキャリーオーバーが膨らみ切っている。これは、高額当せんの大チャンスです。僕は、当時の全財産である7350万円をすべて「MEGA BIG」に突っ込む決断をしました。
■無一文になる可能性が「2%」あった
ただ、当然リスクはあります。
7350万円で購入できるのは、24万5000口。
24万5000口×6万5536分の1、つまり確率的に3.7口は1等に当せんする計算でした。でも、たった約2%〔(6万5535/6万5536)の24万5000乗〕ですが「全財産を失う」可能性もありました。
全財産がなくなり、無一文になる可能性が2%くらいある……このリスクをどう思うかは、人それぞれです。僕は全財産を突っ込む決断をしましたが、社長をしている同世代の知人は「社員の給料を払えなくなるリスクを拭い切れない」と購入を諦めていました。
全財産を失うリスクを考えたとき、たとえば「全財産の半分だけ買う」という選択肢もありました。そうすれば、全口外れても3675万円は手元に残ります。
でも、当せん確率は“買えば買うほど”上がります。僕にとって最悪のシナリオは1口も当たらないこと。でも1口も当たらない確率は、購入金額を増やすほど下げることができます。つまり、全財産入れるのが最善の判断。中途半端に賭けるのは危険です。
こう考えると、僕には、リスクを考慮して購入口数を減らす……という選択肢はありませんでした。
■確率の計算はChatGPTにお任せ
僕が全財産をぶち込んだのは、「MEGA BIG」購入締め切りの当日。
そこから結果が出るまでの2日間は、気が気ではありませんでした。何をしていても「MEGA BIG」が頭から離れないし、勉強も何も手につきません。そのため、結果が出るまでの時間は「暇潰し」だと思って過ごすようにしました。
ゲームセンターに行ったり、YouTubeを見たり……全財産でくじを購入した瞬間より、その後の2日間のほうがメンタルの浮き沈みは大きかったです。
全財産を「MEGA BIG」に突っ込むって、傍から見たら「すごいギャンブルやってるな」と思うかもしれません。たしかに運要素も強いのでギャンブルではありますが、僕には「高い確率で勝てる」という裏づけがあったのでチャレンジができました。
いちいち当せん確率を計算し期待値を出すことを、「難しい」「面倒」と思う人もいると思います。でも、突き詰めて考え抜くことで、どの選択がいい結果をもたらすかが見えてきます。ちなみに、計算はすべて電卓ではなくChatGPTに任せていました。

結果、僕は1等を8口分引き当てることに成功。1等以外の当たりも含め、約2億2100万円という高額な払い戻しを受けることになりました。
■「地獄行き」を避けるシンプルな方法
全財産を「MEGA BIG」に投じるという賭けに勝ち、僕は高額の払い戻し金を手に入れました。いわば、リスクを顧みずチャレンジしたことで、チャンスを掴むことができたわけです。
でも、チャンスの隣にはいつだって地獄があります。一歩道を踏み外したら、地獄行き。僕は運よく1等を当てることができましたが、全財産を失う可能性と隣り合わせでした。
地獄行きを避けるために必要なのは、シンプルですが、ちゃんと考えること。
僕は、実は決断するまでに何時間も考え込んでしまうタイプです。期限がないといつまでも考えてしまうので、自分で「今日中に決める」などと期限を決めることもあります。
考えるときは、ただ頭を働かすだけではありません。表をつくって整理したり、期待値を計算したり……答えを出すために必要だと思うことを、なんでもやります。
■自分より成功している人に相談するといい
また、人に相談することもあります。僕の場合、最善の選択にたどりつくためのポイントは、お金のことは“自分よりもお金を持っている”人に相談すること。僕よりお金を持っていない人に相談しても、間違った答えしか返ってこないと思うからです。
「MEGA BIG」に賭けたときは、自分と近い年齢で成功されている社長さんに相談しました。電話でお話しさせてもらい、二人でうんうん唸りながら2時間以上かけて試行錯誤。その結果、僕は「買う」という決断に至ることができました。
チャンスは、常に地獄と隣り合わせ。
失敗の可能性を少しでも減らし、いかにチャンスを掴む確率を上げるか。よく考えて、自分以上に成功している人に相談することが大事だと僕は思います。
これまで何気なく「期待値」という用語を使ってきましたが、ここであらためて、僕の考える「期待値」について説明したいと思います。
期待値とは、確率的な現象において、ある事柄が起こることが期待される平均的な数値を指します。起こり得るすべての結果をその確率を踏まえ計算するもので、具体的には、各結果の値と、それが発生する確率を掛け合わせて、すべての答えを合計することで求めることができます。
■日頃から常に「期待値」を意識している
たとえば、6面サイコロを1回振ったときの出目の期待値は、(1+2+3+4+5+6)/6=21/6=3.5と求められます。
この計算をすることで、何回かサイコロを振ったときに平均して得られる目の値が3.5になるということが分かります。
投資においては、たとえばある銘柄が50%の確率で20%の利益を出し、50%の確率で5%の損失を出す場合を求めてみましょう。期待値は0.5×0.2+0.5×(−0.05)=0.075、つまり7.5%の利益となります。
得られる利益とその確率の積が、被る損失とその確率の積を超える場合は「期待値がプラスである」といえます。
僕は、日頃から期待値を意識して生活しています。
前述していますが、たとえばナンパのとき。「付き合ったら1000万円の価値がある女性」に声をかければ、0.1%くらいは付き合える可能性があると思います。
つまり、声をかけるだけで1万円の価値がある……と考えていました。1回声をかければ1万円もらっているのと同じなので、ナンパすればするほど実質的にお金をもらっているのと同じである。こういう理論です。
■期待値だけでなく、リスクも考える
もちろん、株も期待値を考えて見ています。
たとえば、1500円の株があったとき。上下500円の値幅を定めて考えると、この株は2000円に行くか1000円に行くか分かりません。どっちに行く可能性が高いかと考えたとき「2000円に行く可能性のほうが高い」と思えたら、すなわち期待値的に旨みがある可能性が高いということです。

常に正確に計算して期待値を算出しているわけではありません。でも「なんとなくこっちかな……」と根拠なく選ぶより、「どっちの期待値が高いだろう」と考えてから選んだほうが、勝率は高くなると思っています。
何事も期待値で考えるという話をしましたが、リスクについてもちゃんと考えています。重要なのは、リスクと期待値のバランスです。
たとえば、「1%の確率で資産が1000倍になるけれど、99%の確率で資産がゼロになる」という話があった場合。期待値はめちゃくちゃ高いですが、それ以上にリスクが大きいですよね。これは極端な例ですが、どんなに期待値が高かったとしても、こういう話には乗りません。大事なのは、自分が許容できるリスクと期待値のバランスを見極めることです。
■リスクへの対応策は人それぞれ
自分が直面しそうなリスクは、項目を分けることで見つけやすくなります。
たとえば投資であれば、株価や金利、為替の変動があるか、信用リスクが高くないか、流動性が低くないか、などです。
起こり得るリスクとその発生確率や影響度を分析し、リスクを回避するか、減らすか、別のところに移すか、それとも受け入れるかなど、自分に合った適切な対応策を検討します。
「MEGA BIG」の場合、僕は約2%のリスクに目をつぶって賭けに出ました。
ただ、仮に勝率がもっと低く、10%〜20%しかないような場合は、おそらく賭けには出ていません。50〜60%くらいだと、だいぶ迷っていたと思います。
とはいえ、2%程度だったとしても「全財産がなくなるかもしれない」のはリスクです。少しでも投入する資金を増やし、試行回数を多く積んでリスクを下げる必要がありました。
■お気に入りの時計を売ってまで賭けに出た
スポーツくじに全財産をつぎ込んだあの日、僕はとても気に入っていた、いつもつけていた時計を売りに出しました。そして、そのお金も「MEGA BIG」の資金にあてたのです。

高く買い取ってくれる人を探していたのですが、締め切り当日まで見つからなかったので、希望より安い値段で買い取り業者に売ることになりました。
そこまでして「MEGA BIG」に賭けるのだから、もう迷わず頑張ろう。
……スポーツくじなので買ってしまえばもう頑張れることなどなく、祈るしかないのですが、「売ったからには……」の思いがありました。
“挑戦しないこと”はプラマイゼロではありません。挑戦したら得られるかもしれない利益を手放す“機会損失”といえます。
無茶苦茶に挑戦しまくるのはリスクが高いですが、期待値とのバランスを見極め、「ここぞ」というときに決断するのも必要。
みなさんも、普段から、期待値とリスクのバランスを考えてみるといいかもしれません。
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造船太郎(ぞうせんたろう)
投資家
2004年6月27日生まれ。小学5年生から株式投資を開始し、中学生時代にデイトレーダーとして活動。17歳で投資を再開し、18歳で総資産1億円を達成。2024年、医学部在学中にスポーツくじ「MEGA BIG」に2億円以上当せんし、20歳で総資産3億円を超える。
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(投資家 造船太郎)
