アカデミー期待の星。東京ヴェルディ綱島悠斗インタビュー「“ここで立ち止まっちゃいけない”という気持ちが強い」

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 ジュニアからユースまで10年間にわたって東京ヴェルディのアカデミーに在籍していた綱島悠斗が、国士舘大学での“武者修行”を経て、今年古巣への凱旋を果たした。4年間で自身の価値を高め、「周りから何と言われようと、プロになるならヴェルディでと決めていた」と、多岐にわたる進路からヴェルディ入りを選択。他クラブには脇目もふらずに戻ってきたのは「ヴェルディをJ1に上げるため」、ただその一心だった。

 アカデミー時代、各年代で監督やコーチから「ヴェルディを変えるのはお前らしかいない」とクラブの再建と未来を託されてきた。その悲願を成し遂げた今、綱島の胸に去来する思いとは……。

──J1昇格おめでとうございます。プロ1年目でJ1昇格という貴重な経験ができたことへの率直な感想を聞かせてください。
綱島 ありがとうございます。まだ信じられないというか、夢なんじゃないかと思っています。試合が終わったあと、たくさんの人からお祝いのメッセージをいただくなど、いろいろな反響があったのですが、それでも今はまだ現実味がないというか、来年J1で戦うという実感がありません。去年の今頃、プロとしてやれることにワクワクしていましたが、普通であればそのワクワクは1年も経てば慣れてしまうものだと思います。でも、来年J1で戦えることで、今もまた去年と同じぐらいワクワクできています。それって、ものすごくありがたいことだなと感じています。

──清水エスパルスとのJ1昇格プレーオフ決勝は、後半アディショナルタイムに獲得したPKで決着するという最高に劇的な幕切れでした。
綱島 そうですね。結果的に引き分けで勝ち抜けられたことはすごくプラスに捉えています。でも、内容面でいうと、まだまだ反省が必要だなという気持ちが強いです。というのも、この先J1にいったら、ああいう強い相手、緊張感のある試合で、自分たちがボールを意図的に動かして、点を取っていかなければいけないというシチュエーションが増えてくると思うんです。レベルが一つ上がったところで、自分たちのプレー、自分たちの目指すサッカーができなかったという意味では、「上がれて良かった」で終わらせてはいけないと思います。これからヴェルディをJ1に定着させて、日本サッカー界を背負っていくぐらいまで大きくしたいという気持ちがあるので、そこにたどり着くためにも、J1に上がっただけで満足していてはダメだと思っています。

──その決勝戦で、綱島選手は74分から途中出場しました。「引き分けでも昇格」というアドバンテージがある中で、1点ビハインドの状況での投入でしたが、どんな気持ちでピッチに入りましたか?
綱島 (63分の)失点シーンを長谷川竜也くんと一緒にベンチで話しながら見ていたのですが、「1点だったらこのチームはまだ大丈夫」、「俺たちがここで負けるはずがない」という根拠のない自信がありました。それは多分、今年のチームがものすごく勝負強かったことが理由だと思います。今年のチームはキャプテンの森田晃樹を中心に幾度となく難しい戦いをモノにしたり、ビハインドの試合をひっくり返したりしてきました。だからこそ、焦りというものは全くなかったですし、あの試合も他のベンチメンバーと「自分たちが流れを変えよう」と話していました。
 今季のチームはベンチメンバーのことを“ゲームチェンジャー”と呼んでいたのですが、このチームにとってゲームチェンジャーの役割はものすごく重要でした。特にリーグ戦の最終盤は、平智広くんをはじめとするゲームチェンジャーが出てから点が入ることも多かったですよね。もちろん、先発メンバーの頑張りがあってというのが大前提なのですが、たまたま自分たち交代選手が出たタイミングでゲームが動く試合が続いていたので、あの試合も「やってやろう!」という気持ちでピッチに入りました。