アルゼンチン戦は終盤に途中出場。定着へ向けて、ひとつ足がかりを作った。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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[国際親善試合]なでしこジャパン 8−0 アルゼンチン/9月23日/北九州スタジアム

 今夏の女子ワールドカップから約1か月。新たなスタートを切った、なでしこジャパンの池田太監督は、世界大会を戦った選手を中心にアルゼンチン戦へ臨んだ。

 パリ五輪に向けたリスタートの場で、W杯不出場組の中から出場機会を得たのが、三浦成美(ノースカロライナ・カレッジ)だ。今回のアルゼンチン戦が約1年ぶりの代表復帰戦となった。

「チームとしてやるべきことも、この合宿で初めて聞くことが多かったんですけれども、(女子W杯などこれまでの試合を)どういうふうに戦ってきたのかを自分なりに一所懸命、吸収しながらできたので良かったかなと思います」

 この日は、ゲームの終盤に熊谷紗希との交代でアンカーに入った。日テレ・東京ヴェルディベレーザ時代に、三浦が長い期間、務めていたポジションであり、また代表組でも一緒にプレーした仲間は多い。

「4−1−4−1はずっとチームでも、ベレーザの時にやってきた形でもありますし、一緒にやってきたメンバーも多いので、理解しやすい部分もあります」

 三浦がピッチに入った時点で、スコアは7−0と大差がついていたが、久しぶりの再招集で、しっかりプレーの機会を掴み取った。定着へ向けて、ひとつ足がかりを作ったところに価値がある。

 長く在籍したベレーザに皇后杯優勝を置き土産として残し、今年の冬にナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)のノースカロライナへと移籍した。現在は、マイナビ仙台レディースから加わった松窪真心らとともに、ノースカロライナの2023 UKG NWSL チャレンジカップの優勝にも貢献している。

 今の三浦にとって、アンカーは慣れ親しんだポジションではあるが、専門職ではない。
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「アメリカに行ってから、ひとつ前でプレーすることも増えたので、アンカーだけじゃなくて、インサイドハーフでも(プレーの)幅が広がっていると思うので、自分の中でも、ふたつ持てたらいいなと思っています」

 今月初めのゴッサムFC戦では、両腕を左右に広げてボールを呼び込みながらペナルティエリアへ侵入。折り返しのボールに右足で合わせて、3−3の打ち合いの幕を開けた。単純にフィジカルの強い選手と日常的にプレーするという効果だけでなく、プレーのエリアやスケールが、攻守両面で少しずつ変化していると実感している。

「やっぱり攻撃だったり、守備もそうですが、今まではアンカーで『自分のポジションはそこ』という感じでしたが、よりダイナミックにゴール前へ入っていくとか、守備で身体を張るというところは、アメリカへ行って得たものかなと思うので、自分の中で(プレーの)幅は広がってきているのかなと思います」

 W杯でベスト8まで勝ち上がったメンバーにとっても、パリ五輪を戦うメンバーに残ることは簡単ではない。三浦がポジションを争う中盤は最激戦区。この日、インサイドハーフ、ボランチで先発したのは、チームでも中心となる長谷川唯と長野風花、最終ラインから一列前に上がった熊谷紗希だ。

 簡単な挑戦ではないが、三浦にもアメリカで戦いながらグレードアップさせた力を、なでしこジャパンへ還元できる自信がある。

「中盤の選手が多いのは分かっていますし、それぞれ良さがある選手が多いなかで、クラブチームでやってきている自信はあるので、しっかりと自分の良さを出しながら。結果というのは欲しいと思いますし、意識を高くしてやっていきたいと思っています」

取材・文●西森彰(フリーライター)