沙川尽義役を務める寺島拓篤さん 撮影/大山雅夫

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GoRA×キングレコードがタッグを組む、完全新作オリジナルアニメーション『AYAKA ‐あやか‐』の放送が開始となった。七つの島が連なる綾ヵ島を舞台に、相棒×師弟×好敵手×兄弟という関係性と、それぞれに宿命を背負った男たちの切なくも美しい絆の物語が描かれる。

故郷の綾ヵ島に連れ戻された主人公・幸人の師匠となる傍若無人な青年・沙川尽義役を務める寺島拓篤さんに、キャラクターの魅力や収録時のエピソードを語っていただきました。

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【尽義の立場は、声優業界での自分と重なって見える】

――まず、台本を読んでみての作品の印象はいかがでしょうか。

寺島 設定が面白くて、興味を惹かれる不思議な力がある作品だと思いました。話数が進むにつれて、徐々にこの作品の一番大事な設定やメッセージが薄っすらと見えてくるのですが、GoRAさんはそういった気になるポイントや気配を作るのがすごくお上手で。毎回台本を頂くのが楽しみでした。

――尽義というキャラクターをどういう人物だと捉えられましたか。

寺島 正直、いまだに捉えられていない気がするのですが……(笑)。

――寺島さんでさえも、ですか?

寺島 はい、じゃあ一体どうやって演じているんだって話なんですけれど(笑)。いつも酔っぱらっていて器が小さい男のように見えるのですが、たまにポツリと漏らすひと言から、幸人だけでなく、兄貴分や師匠、綾ヵ島への思いも感じられるような不思議な人なんです。

――なるほど。そんな尽義に共感できる部分はありますか。

寺島 「兄貴分がいて、弟分もいる」という立場には共感できました。僕も今、声優業界において、先輩たちも後輩たちも元気に活躍している中、どちらにも対等でいられるような立ち位置にいるのかなと感じていて。なので、幸人と話す時や、春兄(鞍馬春秋)・朱兄(伊吹 朱)と話す時に「この感じ、分かるなぁ」と思うことがあります。

――では、尽義を演じる上で意識した部分は?

寺島 尽義は、幸人が慌てふためいている裏で、いつの間にかいなくなっていたり、気付いたら違うことをやっていたり、切り替えがすごく早いんです。なので、台詞の中で「そういう人なんだ」ということが分かるように、キレの良さを意識しています。


【尽義はみんなを繋ぐ大事な存在】

――弟子になる幸人に、寺島さんはどんな印象をお持ちですか。

寺島 すごくいい子ですよね。尽義の言ったことを素直に聞いてくれるし、他の人に対しても真っ直ぐ向き合おうとしてくれる。彼の置かれていた境遇を考えると、これまで大変な日々を送ってきたのだと思うのですが、曲がらずにいい子に育ってくれて良かったなと。
島のみんなからは「ああ、あんなに小さかった幸人くんが」と声をかけてもらっているので、これからもみんなから可愛がってもらえたらいいなと思っています。

――尽義もそう思っていそうですね。

寺島 確かにそうですね。尽義もそういう思いで幸人と接していると思います。

――では、兄弟子である鞍馬春秋と伊吹朱についてはどうですか。

寺島 春兄と朱兄ですね。尽義には「不器用な人たちだな」という風に見えていると思います。一緒のものを見てきて学び取ったものが、この二人は真逆になってしまった。それを尽義は悲しく思うところがあって、彼らの間を取り持ちたいと考えているのではないかと思います。二人とも自分の生き方に意固地にならなければ、もっと楽しくできるのになと思って、尽義は道化のような役割をしているんじゃないかなと。

――確かにお酒を飲んでいるだけのキャラクターかと思いきや、みんなを繋ぐ役割を担っていますよね。

寺島 そう、大事な役割なんですよ。でも、酔っ払っている時は本当にただ酔っ払っているだけという(笑)、なんとも不思議な人です。

――他に個人的に気になったキャラクターがいれば教えてください。

寺島 アヤカセキュリティにいるマキちゃん(薪田太平)です。みんな気になっているだろうから、あえて言いたくはなかったのですが……どうやってアヤカセキュリティに入ってきて、あの立ち位置にいるのか、本当に謎です。彼の知られざるエピソードが気になるんですよね。


【酔っ払っている状態で説明台詞を言う難しさ】

――アフレコの際には、監督や音響監督からどのようなディレクションがありましたか。

寺島 尽義は説明台詞も多い役なので「その役割を果たすのなら、しっかりやらないと」と考えていたのですが、「ここも酔っぱらってください」「あそこも酔っぱらってください」とどんどん酔っ払うようにディレクションを頂き、まともに喋るシーンがあまりなくて(笑)。酔っ払っている状態でいながら説明台詞を言う、という塩梅の難しさを感じております。

――尽義ならではの難しさですね(笑)。

寺島 はい(笑)。あとは、テストの時に呪文を唱えるシーンで、いかにもという感じで大仰な言い方をしていたのですが、「呪文を唱える時はボソボソっと言う方向でいきましょう」とご指示いただいて。これは印象に残っていますね。

――アフレコ現場はどのような雰囲気でしたか。

寺島 いい空気感でやれていると思います。この作品特有の用語があるので、みんなで確認し合いながら進めたり、ときには僕が勘で読んで半分くらい間違っていて申し訳ない気持ちになったり(笑)。

――みなさん揃ってアフレコできているんですね。

寺島 全員とはいきませんが、シーンごとに会話の多いキャラクターたちとは集まって収録できています。収録の時は、天乃夜胡役の榊原優希くんが色々と話をしようとしてくれて「いい子だな」と思いました。

【寺島さんがお酒の美味しさに気付いたエピソード】

――本作にちなみまして、もし寺島さんが尽義のような不思議な力を持っていたら、どんなことをしてみたいですか。

寺島 僕は今まであまり水に触れてこなかったので泳ぎも苦手なのですが、尽義は水を操る術が得意なので、この力があったら安心だなと思いました。いざという時の備えにしたいですね。

――では、尽義のキャラクターに引っ掛けて、寺島さんご自身のお酒の楽しみ方、またそれにまつわるエピソードがあれば教えてください。

寺島 お酒はそんなに強くないのでたくさんは飲めないのですが、前に先輩の小野坂昌也さんからウイスキーをプレゼントしていただいたことがあって、その時に初めて味が分かるようになったというか、「ウイスキーって、めちゃくちゃ美味しいな」と気付いたんです。そこからお酒を飲む時のテンション感が変わって、楽しめるようになりましたね。

――それは嬉しいですね。

寺島 本当に。「ありがとう、小野坂さん!」という感じです。

【最後に】

――最後に、寺島さんから尽義に何かひと言、声をかけるとしたら?

寺島 そうですね、普通なら「飲みすぎるなよ!」といった言葉が出てくるんだと思うのですが、これから先の展開を想像すると軽率に声を掛けづらいといいますか……きっと覚悟はできているだろうから「そのまま、自分の思いを大事にしてね」ですかね。

撮影/大山雅夫

(C)GoRA・KINGRECORDS/Project AYAKA