日本人が大好きな「スライドドア」! 確かに便利だけど「デメリット」もけっこうあった

この記事をまとめると
■多くのクルマにスライドドアが採用されている
■いまや軽自動車にも採用されるほど
■今回はスライドドアのデメリットについて解説
大人気なスライドドアだが欠点も
日本は世界有数のスライドドア大国と言えるだろう。さまざまなサイズのスライドドア車がラインアップされ、軽乗用車にも用意されている。それだけ市場からの評価が高くて人気という訳だが、スライドドアに欠点はないのだろうか。今回は大人気なスライドドアの欠点に注目してみよう。
重量
まずは重量だろう。一般的なヒンジドアに比べて面積が広いため重くならざるを得ないし、重いスライドドアの対策として、補強なども必要になっている。これが電動スライドドアになると更に重くなってしまう。
クルマにとって重くなってメリットとなることはほとんどない。ボディ剛性アップなどの性能を求めた結果ならば、走行性能的に等価交換とも言えるが、スライドドアの場合は単に装備で重くなってしまうのだ。重くなれば動力性能や燃費、コーナリング性能に悪影響が出てしまうので、間違いなく欠点だ。

剛性
スライドドアの長所の1つが開口部の面積が広いことだが、この結果から誕生する欠点もある。それがボディ剛性だ。乗降性の関係からヒンジドアに比べて開口部を広く取らなければいけないスライドドアは装備されるモデルの特徴上、開口部の面積だけではなく補強のために太いピラーやサイドシルを設けることも困難だ。
簡単に言えばスライドドアを設けるとボディ剛性を出しにくい形状に致し方なくなってしまうのだ。ヒンジドアに比べてスポット点を増やすなどの対策を行っていると思うが、基本的な形状からして、剛性が出しにくい。ボディ剛性は走りに大きく影響する部分なので、スライドドアの欠点になってしまうのは否めない。
さまざまなコストの面でも厳しくなる
全高を低くできない
世の中のスライドドア車を思い出してもらえれば気が付くはずだが、スライドドア車で全高の低いクルマなど見たことがない。構造上1700mm程度は全高がないとスライドドアを装備することは難しい。
都心部ではまだまだ全高1550mm以下の機械式駐車場も珍しくない。過去には機械式駐車場に対応したスライドドア車もあることにはあった(三菱eKワゴンなど)。そのため完全に出来ない訳ではないが、コストがかさんでしまう。結局全高の低いスライドドア車が継続しなかったことからも、開口部の高さが低いスライドドア車はスライドドアのメリットをあまり得ることができないため、投入したコストに対して売れなかったということであろう。

値段
通常のヒンジドアに比べて値段が高くなってしまうのもスライドドアの欠点と言える。先に述べたように補強も必要になるし、構造も複雑なので、どうしても高価になりがちである。また、故障のリスクもヒンジドアに比べて多いし、修理費用も高価になりやすい。
また、修理費用が高価になりやすいことに似通ったことだが、経年劣化によるガタツキが発生しやすいという欠点もある。ヒンジドアに比べて重く、取り付け部の剛性が確保しにくいため、この欠点も構造上仕方ないものだと言える。

スライドドアの欠点はクルマの基本性能である「走る、曲がる、止まる」に影響する部分が多い。そのため、スライドドア車を開発設計する場合は、開発者たちは相当な難しい課題をクリアして走行性能を確保していると言える。ひょっとしたら高性能なスポーツカーを開発するよりも大変かもしれない。それでもスライドドア車が開発されて販売されるということは、今回紹介した欠点よりも利便性の高さという長所がウケて、売れているからなのだ。
