ギリシャ開催のシンポジウムに出席した馬英九前総統(馬氏事務所提供)

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(台北中央社)台湾で対中政策を担う大陸委員会は28日、ギリシャを訪問中の馬英九(ばえいきゅう)前総統が中華民国憲法に対する個人的解釈を表明した上で外国人の前で蔡英文(さいえいぶん)総統を批判したとして「再び失態を犯したこの行いは極めて遺憾だ」と非難した。

馬氏は同日の座談会で、一つの中国を巡る「92年コンセンサス」について、1991年に修正された中華民国憲法を基礎にしていると説明。憲法は国家の領土を「台湾地区」と「大陸地区」に分け、「台湾地区と大陸地区の人々の権利と義務は特別法によって規定可能である」と定めていることを紹介した上で、台湾にある中華民国の憲法は「一中両区」憲法だとの見解を示した。その上で、蔡総統が直近3年で2度にわたり「中華人民共和国と中華民国は互いに隷属しない」と述べたことは91年修正の憲法11条に違反し、2016年の総統就任演説で誓った憲法順守の約束に背いていると批判した。

大陸委は報道資料で、馬氏は両岸(台湾と中国)問題の経緯に対して事実に全く反する説明を行い、さらには会場の聴衆が両岸問題の状況を理解できないことを利用して中国共産党の見解に合わせ、機会に乗じて現職総統を批判したとし「国民は受け入れられない」と強調した。

大陸委は、中国による圧力や投降を迫る企てに直面する中、与野党の団結がさらに必要だとし、馬氏に対し、国民が容認できない行為を繰り返さないよう呼び掛けた。

(劉冠廷/編集:名切千絵)