3月21日、楽天とのオープン戦で、初回終了直後に大城選手(写真左)にベンチで “公開説教” する原監督

「逃げてんじゃねえ!」
 原辰徳監督(62)が、大城卓三捕手(28)を一喝すると、巨人軍ベンチ内が、重たい空気に包まれたーー。これは3月21日、楽天とのオープン戦での出来事だ。

 開幕前の予想どおり、巨人が好調だ。4月3日時点で、3勝2敗3分けの3位だが、内容が素晴らしい。先発7人中6人が6イニング以上で自責点3以下のクオリティスタートを達成。投手陣の安定が、開幕ダッシュをもたらした。冒頭の「“公開説教” のおかげです」と語るのは、巨人担当記者だ。

「あの試合で大城は、先発の今村信貴(27)とバッテリーを組んでいました。しかし、外角へ逃げる配球を繰り返し、初回に四球からの3失点。そこで原監督が大城に、厳しい指導をしたんです」

 2020年、菅野智之投手(31)とのバッテリーで活躍した大城への “説教” は、その後も続いた。3戦めの3月28日。今村は、対DeNA戦で初回に25球を要し、1失点。すると原監督は大城選手を呼び寄せ、立ったまま厳しい表情で “公開説教” をおこなったのだ。

「終わってみれば、今村は7回1失点でした。監督は打撃もいい大城に、正捕手として期待しています。彼のリードがよくなれば、投手陣は盤石です」(前出・担当記者)

 だが、ほかの選手もいるベンチ内で、“公開説教” をおこなうのは、いささかパワハラめいている気もするが……。スポーツ紙デスクが解説する。

「説教される光景を、テレビ越しに選手の親が見ることもありますし、このやり方に一部の巨人OBが反対しているのは事実です。しかし、原監督は耳を貸しません。

 古くは第二次原監督政権時の2006年に、投手だった久保裕也(40)にも “公開説教” をしました。久保の場合は、原監督から蹴られたこともあるそうです」

 だが、これこそ名将の「操縦術」なのだという。

「原監督は、選手の奮起を促しているんです。やられた選手が『見返してやる!』と思ってくれればいい。しかも、人選が絶妙なんですよ。

 大城も久保も、原監督と同じ東海大出身です。言い換えれば、原監督の直々の後輩で、ほかの選手からみれば『監督は身内にも厳しい』と映る。今、巨人のベンチ内は “燃えて” います」(前出・スポーツ紙デスク)

 別の担当記者は、「2021年は、いつになく “公開説教” が増えるはず」だという。

「原監督は、(監督の)バトンを渡す覚悟を決めつつあるようです。しかしその際は、日本一を取って自分の花道を飾りたい。今年は勝ちにこだわるでしょう」

 怒られすぎて、選手たちが五月病になったりしないといいけれど…。

写真・東京スポーツ新聞

(週刊FLASH 2021年4月20日号)